観客をバックに「フレンズ!」の掛け声でポーズを決めるREBECCAの、左から土橋、NOKKO、高橋

 REBECCAのNOKKOと土橋安騎夫、高橋教之が25日、都内でおこなわれた、劇場版『REBECCA WORLD CONCERT TOUR』の上映会に登壇。NOKKOは「(渋谷公会堂が)エネルギーのピークだった」と当時を振り返った。また、今年7月からおこなう28年振りツアーでは「新しい曲を引っ提げて…」と17年振りに新曲を発表することを伝えた。

 この日限り上映されたライブ映像は、1985年12月25日に渋谷公会堂でおこなれたライブのもよう。この年は、シングル「フレンズ」や、アルバム『REBECCA IV〜Maybe Tomorrow」が累計130万枚を超える大ヒットし、トップアーティストへの階段を駆け上がり、音楽業界を席巻した時期。

 その年におこなわれたのがこのツアーで、ファンの間でも「渋谷公会堂の全ての演奏を観たい」という声が挙がっていた。全編が公開されるのは公演後32年で初めて。映像は、1985年に撮影・録音され保管されていた素材から映像を全編再編集、音声もリミックスした。

 この日、上映前にはREBECCAのNOKKO(Vo)と土橋安騎夫(Key)、高橋教之(Ba)が舞台に登壇。大歓声と報道陣による無数のフラッシュを浴びた3人は、音楽評論家の田家秀樹氏をMCに、トークショーに挑んだ。なお、ドラムスの小田原豊はスケジュールの関係上、欠席した。

 このライブはREBECCAにとって4枚目のアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』を引っ提げてのツアーの最終公演。日本ロックの新しい扉を開けた記念すべきライブだ。

 この映像の感想を聞かれたNOKKOは「人生で初めて自分のDVDを見た、ゆうべ。これまでも(映像作品の)全部を見たことがなかった」と意外な答えを返すと、「(ライブは)凄かったですね。今日はこんなに凄いものを…。古い映像を使って下さってありがとうございます」と客観的。土橋も「当時はチェックはするけど、出来上がったものは観ないよね」とすれば、NOKKOは「照れくさいというか」とその理由を明かした。

 一方の高橋は「(映像の自分達は)若いですよね。演奏も曲間も全て間がないというか、イケイケと言うか」と振り返ると、土橋は「曲順を全く忘れていた。(過去の作品は)セレクトされていて。それを見る機会があってもその曲順でしか見てない。今回見て、この曲で終わってたんだって」とし、NOKKOも「そうね、意外な終わり方だったもんね」とも。

 NOKKOは、その翌年の86年にリリースしたシングル「RASPBERRY DREAM」を引き合いに「(ライブに)『RASPBERRY DREAM』がないの。なんでやってないのかなって思って」と言えば、土橋は「ないね。ラの字もない」とツッコむ場面もあった。

 また田家氏は「85年」を、12月23日にBARBEE BOYSの後楽園ホール、24日にRCサクセションの武道館、BOOWYの初めての渋谷公会堂があり、「80年代のロックの扉が開いた年」と表現。

 そのなかで、同ツアーで引っ提げたアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』は、当時のロックバンドのアルバムとしては異例のミリオンセラーを記録。音楽シーンに風穴を開けたといっても過言ではないが、NOKKOは「売れちゃいけないもんだったけどね」と言えば、土橋も「僕らでいいのかなというのはあったよね」と振り返った。

 当時の制作状況は、アルバムのヒットを機に方針が変わったようで、土橋は「当時は1500円で6曲入りで、年間2枚がポリシーだった。それが半年後にフルアルバムを作るぞという話になって」とも。ブレイクの影で活動に追われていたことを象徴するエピソードとして、NOKKOと土橋は「Maybe Tomorrow」の制作秘話を以下に語った。

 NOKKO「あれはソニーのロビーで書いた詞だった」

 土橋「当時は疲れ果てた。最後の曲」

 NOKKO「忙しいなとなっていたけど、でも走んなきゃという感じでやっていた。この前、カールスモーキー石井さんにお会いしたら、その時、石井さんたちがはしゃいでいて「うるさい、今詞書いてんの!』と言ったんだって。覚えちゃいなんだけど、すごく切羽詰まってたエピソード。早々言わないですよね」

 ブレイクを肌身で感じたメンバー。それはライブの会場にも表れていたという。NOKKOは「渋谷公会堂の前に青年会館というのがあって、ライブハウスからホールに移った印象があって。渋谷公会堂はもっと大きくなって段にのった感じ。一番華々しい所だった。その後は維持を強いられるという感じだったので、エネルギーのピークになっていたのかな。渋谷公会堂が一番大成した」と振り返った。

 補足するように土橋が付け足す。「会場をおさえるのに半年前から(手続する必要がある)。渋谷公会堂はツアーの最終公演で、ほかにも公演がある。思いのほかブレイクしたレベッカにとっては他の会場は小ホールで、それで人で溢れかえっていて、レベッカがなぜこういう所でやるんだ、と言われていた。半年前は全くそこまで(ブレイクする)とは思わなかった」と語った。

 そんなREBECCAは今年、28年振りとなる全国ツアーを7月から9公演をおこなうことが決まっている。NOKKOは「新しい曲を引っ提げて(やりたい)」と吉報を伝えると、会場からは大歓声が上がった。REBECCAは2002年にシングル「Raspberry Dream/Tatoo Girl」をリリースしているが、セカンドアルバム『Nothing To Lose』に収録されなかった未発表曲であるため、新曲としては2000年6月発売の「神様と仲なおり/HELLO TEENAGE」以来17年ぶりとなる。

 なお、REBECCAのベストライブとも称されることの多い2つのライブをDVD2枚組『REBECCA LIVE ’85-’86 -Maybe Tomorrow & Secret Gig Complete Edition』として、1985年11月1日発売のREBECCA初のチャート1位を飾ったアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』をGOH HOTODA氏によるリマスタリングなどをへてUSAプレスとして、それぞれ7月26日に発売されることが決まっている。(取材・撮影=木村陽仁)