綾野剛「フランケンシュタインの恋」9話。斎藤工切なかった…どうかこのままハッピーエンドで!

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「フランケンシュタインの恋」(日本テレビ 日よる10時30分〜)
脚本:大森寿美男 演出:守下敏行
出演:綾野剛 二階堂ふみ 柳楽優弥 川栄李奈 新井浩文 光石研 柄本明 斎藤工 他

怪物・深志研(綾野剛)が忘れていた120年前の記憶を取り戻した。


呼六とサキの恋の話


怪物の研(綾野剛)がラジオの生放送で自分のことを語り出す。

怪物になる前の研は山部呼六(綾野剛・二役)という人間だった。
ハキハキとした好青年だ。

呼六は独学で医者になった努力家。
伝染病の研究者、深志研太郎博士(斎藤工)のもとで細菌学を学びたいと富嶽伝染病研究所の門を叩く。
もともと人と接するのが苦手だった深志博士は呼六を患者の窓口として採用する。


患者に滋養のあるものを食べさせたいと畑を作ることを思いついた呼六は地主の家を訪ねる。
そこで出会ったのがサキ(二階堂ふみ・二役)だった。

呼六とサキは次第に惹かれあい、恋仲になっていく。
深志博士は二人の恋を応援する一方で、優しいサキに対し淡い思いを抱くようになっていた。

呼六、伝染病に感染する


呼六が伝染病に感染してしまう。


深志博士は怪物・研に宛てた手紙で
「君が新しい伝染病に感染したとき、私は瞬間にサキさんを奪えるかもと思ってしまった。人間の一番卑しい感情を抱いてしまった」と懺悔する。呼六のことを好きだからこその懺悔だ。
(怪物・研さんを応援する一方でラジオで怪物の正体がバレればいいと願った稲庭先輩のエピソードと重なる。
正しい心でいたい。しかし実際は悪い感情も抱く。そしてその悪い感情を抱いてしまったことに苦しむ。
この感情は人間らしいな、と思う。このドラマのテーマのひとつでもあるだろう。
主題歌RADWIMPS「棒人間」の歌詞にも重なる)


深志博士は懸命に治療するが、願い虚しく呼六は死んでしまう。
サキは自殺未遂を起こすほどに悲しむ。

「彼女を絶望から救いたいと願った私は、最後の手段を取ることしか考えられなくなっていた。君にもう一度合わせたいと」

深志博士はひそかに研究をしていた不老不死の菌を呼六に投じる。
サキを悲しみから救いたい、その一心で。

しかし、蘇った呼六は怪物になってしまった。
呼六はわけもわからず、自分の菌によって愛するサキを殺めてしまったのだった。
なんという悲恋…(映画化希望)

タイトルがダブル・ミーニングだった


回想シーンから、ふたたび現代のシーンに戻る。
昏睡状態の津軽(二階堂ふみ)に、ラジオで流れる研の言葉が届く。

「僕はやっと分かったんです。僕は先生の恋から生まれてきた。そして、あなたに恋をしたんです」
原作「フランケンシュタイン」(著・メアリーシェリー)では「フランケン」は怪物自身のことではなく、怪物を生み出した博士の名前である。
ドラマのタイトル「フランケンシュタインの恋」は「怪物・深志研=ラジオネーム/フランケン(綾野剛)の恋」と、「深志研太郎博士=怪物を生み出した博士・フランケンシュタイン(斎藤工)の恋」のダブル・ミーニングだったのだ。

研さんの赤いキノコ


研がラジオで自分の過去について話していたころ、稲庭先輩(柳楽優弥)は研の実家にいた。そして深志博士が作った不老不死の菌が入ったシャーレを持ち帰る。

津軽が眠る病院。
稲庭先輩が研に「この菌を調べると不思議なことが分かったんだ」と持ち帰った菌について話す。

・深志博士の作った不老不死の菌は研の出す赤いキノコの成分にとても近いこと。
・研が出す菌は人の遺伝子に働きかけて人の細胞を再生させる働きがあること。
・赤いキノコには毒性がない。だから研が赤いキノコを出したい時は人に触っても大丈夫。

(うぉぉぉぉおい?急展開っ!数時間でそこまで分かったんかい?!?!
…と正直思いましたが、ま、その辺はファンタジーだしと割り切りましょうか。)

津軽の手を握る研。病室を舞う赤い胞子。
昏睡状態だった津軽が目を覚ます。

ああ、このままハッピーエンドになって欲しい…!
そう思った人が多かったのだろう、この9話を最終回だと勘違いしたツイートをいくつか見かけた。
が、今夜(6月25日)が最終回。
人を救う菌(愛)も人を殺める菌(罪)も持つ、怪物・深志研は人間社会で生きていけるのか。

見逃し配信あり(日テレ無料!(TADA) 、hulu)
(イラストと文/小西りえこ)