WANIMAが、5月17日にシングル『Gotta Go!!』をリリースし、6月28日には、さいたまスーパーアリーナで3月19日に行われたワンマンライブ『JUICE UP!! TOUR FINAL』の模様を収録した初の映像作品『JUICE UP!! TOUR FINAL』がリリースされる。バンド初のワンマンとなった同ライブは2万人の観客を動員し、『Gotta Go!!』はリリース初週に自身最高の47,408枚のセールス(オリコン調べ)を記録。WANIMAの勢いは増す一方だ。そんな中、『Gotta Go!!』に収録の「CHARM」は、リリース以降のライブでは必ず披露されており、同曲でWANIMAはさらなる支持を広げている。今回のインタビューでは、自身も「リスナーのお守りになってほしい」と語る同曲に焦点を絞り、制作の経緯から「CHARM」に込めた思い、そして楽曲を突き詰めて作り上げるスタンスについてじっくりと語ってもらった。(編集部)

「バーンっと鳴らしたときに、なんか懐かしい感じがした」(FUJI)

ーー「CHARM」は、さいたまスーパーアリーナでのワンマンで初披露でしたよね。

FUJI:実はですね、初ではなくて。ちょこちょこ「新曲です」って感じで、それまでのツアーでもやってたんです。

KENTA:3回ぐらいかな? いきなりワンマンでやる不安もありつつ、やっぱり伝えたいっていうのが溢れちゃって。

ーー胸を張ってワンマンで演奏できるように、という部分もあったと。

KENTA:「CHARM」で歌うことが今、一番伝えたいことであり、一番やりたいことではあるんですけど、さいたまスーパーアリーナは2万人でしたからね。いちばん後ろの方まで届けるとなると、まずやり慣れてないと不安もあるし、自信をつけたかったんです(笑)。

ーーでは、ワンマンで披露した感触はいかがでしたか?

KENTA:ツアーでもちゃんと聴いてくれてるんだなって印象があったんですけど、ワンマンではスクリーンに歌詞を載せたこともあって、より一人ひとりに伝わったんじゃないかと思いました。

FUJI:凄く緊張してたんで断片的にしか憶えてないんですが、KENTAと同じように、ちゃんと聴いてくれるんだなって感じましたよね。そんなにワーッとなるような曲ではないんですけど、届いたなっていう感触もあったし。

KO-SHIN:僕もそれは感じましたね。だから、それに応える意味でも、より伝えたいという気持ちで演奏してました。響いてる感触もありつつ、もっと届けたいっていう。

ーーこの「CHARM」、リスナーそれぞれのお守りにしてほしいという思いがあるということですが、どうしてそういった曲になったんですか?

KENTA:「CHARM」を収録したシングル『Gotta Go!!』の発売が5月で、桜が咲いて散る時期ということがあって。僕らも上京して10年ぐらい。最初はお客さんは2人とか3人だったけど、今は凄い数の人がWANIMAとともに生きてる中で「何ができるやろ?」って考えました。毎日毎日、誰かの側におって「頑張れよ」とか「大丈夫やけん」って直接言うことは無理やけど、音楽で出会って繋がってるみんなやから、やっぱりお返しには曲だなと。作ってるときに、この歌を新しい環境で頑張るみんなのお守りにしてほしいなっていうテーマがはっきりと浮かんだんです。

ーー2ndシングル『JUICE UP!!』収録の「ともに」がニベア花王『8×4』のCMソングとして書き下ろした曲で、「青春・部活・汗」というテーマで制作したということはありつつも、これまでそういった取り組みをした曲というのはなかったですよね。

KENTA:今まではなかったですね。「CHARM」に関しては、いつものように3人で集まって音を出して作ってく中で、景色がはっきり浮かんできて。

FUJI:まず、バーンっと鳴らしたときに、なんか懐かしい感じがしたんです。だから、派手にするとかは考えなくて、そういう懐かしさや温もりを大事にしたドラムが叩きたいなと。KO-SHINくんも同じような感覚があったと思う。

KO-SHIN:そうですね。それこそ、エロではないって感じたし。

KENTA:季節で言ったら、冬が終わって、耐えてやっと春が来たか、ぐらいの。みんなが旅立っていく、懐かしい新しい匂いがするような。

ーーそこからお守りというキーワードはどう連想されていったんですか?

KENTA:具体的になったのは歌詞を書いてるときですかね。みんなにとって、「オレらが(上京して)10年経ったからこそ歌えることって何やろうな?」って考えて。適当な言葉やめちゃくちゃなワードを使って歌うんじゃなくて、ちゃんと意味があるモノをみんなに届けたいって思ったし。

ーーまだリリースして日も浅いですが、「CHARM」はすでにたくさんのファンのお守りになってるような感じもします。

KENTA:「お守りにしてほしい」って投げかけた曲を一緒に歌ってるっていうのは、凄い光景ですよね。「最近どう?」じゃないけど、お互いを確認するような。それに、歌詞にも〈新しい歌が遠くにいるあなたに届くように/懐かしい歌がいつかまたあなたと歌える世に〉ってありますけど、「CHARM」もいつかは懐かしい歌になって。そのとき、またみんなで歌えたらいいなと思います。

「『信じてついてこい!』って言いたい」 (KO-SHIN)

ーーちなみに、みなさんがお守りとして大事にしているような物は何かありますか?

KENTA:「WANIMAの曲を聴くと元気が出ます」とか、そういうみんなからもらった言葉は行き詰ったときに凄く力になります。声をかけてくれるお客さんってみんな笑ってるんですけど、実は軽いものから簡単には解決できないような重いものまで悩みを抱えてる人もいっぱいおって。そういったことを知ると、勝手に責任感が生まれたりもして。そういった思いを代表として歌っていきたいなという気持ちにもなるし。

FUJI:僕は、東京へ出てくるときに婆ちゃんからもらった言葉がそうですね。

ーー頑張ってこいよと送り出してくれた。

FUJI:いや、逆だったんです。「お前は無理だと思うけど、10年頑張ってこい」っていう。

ーー発破をかける意味と離れ離れになる寂しさがあったでしょう。

FUJI:だと思います。あの言葉は思い出したりしますね。

KO-SHIN:ちょっとFUJIくんと似てるんですけど、僕も爺ちゃんや婆ちゃんが言ってくれる「頑張れ」ですね。簡単で短い言葉に、凄く重みがある気がしてて。今でも月に1回は元気かなって家族に電話をするんですけど、そのたびに後押しされてる感じがして。火をつけられてるようなところもあるし。あと、お客さんからもらった手紙もそうですね。僕、家に持って帰って全部取っといてあるんですけど、それも原動力になってます。

ーー特定の物ではなくて、共通して言葉なんですね。言葉が持つ強さを知ってるという。

KENTA:物はあんまりない。やっぱり、言葉の力と人の支え。そうじゃないと、僕らみたいな野良犬がここまでやれてることに説明がつかないですもん(笑)。

ーーその後のライブでは毎回「CHARM」を披露してますよね。回数を重ねることで、体の馴染み方も変わってきました?

KENTA:そうですね。自分たちの曲なのに不思議なんですけど、「ここはもっとこうした方がいいな」っていうのがわかってきて。やっぱり、スタジオで3人だけでやってるのとライブでやるのは違いますね。ただ、3人だけのときのイメージと実際の反応が一致したときは凄い感触があって。FUJIくんやったら、白米をおかず無しで4、5杯はいけちゃうんじゃないかな?(笑)

FUJI:余裕です!

一同:ハハハハ(笑)。

ーーそのイメージは一致した方が嬉しいですか?

KENTA:いや、どっちも嬉しいです。それに、これがまた不思議なことで、ライブのたびに違うんですよ。同じ「CHARM」は二度とない。だから、その一瞬一瞬へ全力で挑まないとダメだなって思うし。

ーーこれまで以上に、この「CHARM」は広がりを見せてるような印象もありまして。例えば、Mステのような場を通して知った人も多いだろうし。

KENTA:ありがたいですね。ただ、僕らみたいな野良犬がテレビの生放送ですから、寿命が何年か縮むんじゃないかっていうぐらい緊張します(笑)。

FUJI:緊張しますね。KO-SHINくんとか、座ってるとき、小刻みに揺れてたり(笑)。

KENTA:でも、カメラの奥にはみんなが待ってるわけだし、届けたい気持ちがあるから、練習して向き合うんですけど。

ーーいろんな人に知ってもらえると同時に、ファンが喜んでくれるのもいいですよね。

KENTA:一緒になって出てるというか、戦ってる気がします。

ーー「CHARM」だけがキッカケではないんでしょうけど、広がってるなという実感はありますか?

KENTA:例えば、お台場・潮風公園でのフリーライブやオールナイトニッポンの公開収録への応募の数やったり、Mステに出たときの反応で感じたりしますね。待っててくれる人、求めてくれる人が増えたんだって。だからこそ、僕らのペースを上げないといけないなって、間に合ううちに。

ーー間に合うというのは、何に対してですか?

KENTA:僕らはひとりでも多くの人に音楽を届けたくてやってて。今、こうしてる間にも助けられない人たちもいっぱいいると思うんです。そうならば、身を削ってでも早めたいな、届けたいなっていう。

FUJI:自分たち自身にも別れがあったりもして。今見ている景色に一緒に行きたかった人と一緒に行けなかったり。

KENTA:手遅れになったこと、間に合わんかったことも多かったので。あと、「ともに」っていう曲がありますけど、WANIMAが半歩先でも進んで、手を引っ張ってやらないといけない人たちもいっぱいいるなと思ってきて。誰に言われたわけでもないんですけど、もっと僕らが引っ張っていきたいなっていう気持ちがありますね。

KO-SHIN:みんなと一緒に走ってはいくんですけど、その先頭は僕ら3人。一番意識を高く持って「信じてついてこい!」って言いたいし。

ーーWANIMAはファンとの関係性を凄く重視しますよね。オールナイトニッポンの公開収録の際も、観覧に来たファンを巻き込むような形で番組を進行しましたし。

KENTA:そうですね。あんまり、ミュージシャンだから、お客さんだから、男だから女だからとか、そういうのは無視したいというか。同じ生きてる生き物同士、楽しいことがお互いにできたらなって思うんです。

「みんな、一人ひとりの曲になるように音楽と向き合って生きます」(KENTA)

ーー話は変わってWANIMAの楽曲制作についても聞きたいのですが、ミュージシャンのタイプによっては、自身のバンド活動と平行して楽曲提供をするような多作の人もいますがWANIMAの場合はどうですか?

KENTA:そういう人はどうやってるのか興味はありますけど、僕たちは1曲1曲しっかり作っていくので、無理ですかね〜。周りからしたら「えっ!?」って思われるぐらい、ちょっとしたシンバルやひとつのコードについて何時間もかけて考えたりするし。

ーーとにかく細部までこだわって作っていくと。

KENTA 曲作りのときは、ですね。ライブになると、僕はベースを弾かないことで有名なんで(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

KENTA:「あれだけ、曲作りでこだわってた男が?」と(笑)。

ーー2ndシングル『JUICE UP!!』ぐらいの時期、より多くの人へ届かせるために曲のアプローチを考えるようになったという話をされてましたよね。活動の幅が広がるにつれて、曲作りに対する意識は変わってきましたか?

KENTA:ずっと「もっとたくさんの人に届けたい」というスタンスは変わってないんですけど、お客さんに合わせるっていうよりも、「WANIMAやったら、お客さんをどう誘えるかな?」と考えるようにはなりましたね。「こういう曲が流行ってるから、ああいう曲を作ろう」とかじゃなくて、「どうやったら、みんなが驚くかな?」とか。

ーーそうやっていったとき、指針を見失うような怖さはないですか?

KENTA:基本、曲と向き合うという姿勢がブレなければWANIMAは大丈夫かなって感じてて。ちゃんとこう、毎日積み重ねていって、曲作りのときに向き合えれば。あとは感謝の気持ちを忘れずに。それがないと、いいモノはできないと思うし。

ーー出来上がった曲を最終的に判断するポイントみたいなところはどこにあるんですか?

KENTA:僕らは向き合った時間じゃないですかね。

FUJI:肌感覚だったり。あとしっかりご飯を食べる。

KENTA:作ってみて「こんなになったか!」みたいなのもあって。例えば、「オドルヨル」とか「どうやって、作ったっけ?」みたいな感じもあって。

ーーいろんな要素はあれど、3人の感覚を信じてると。

KENTA:音楽は感じるモノやから、そうなんです。グッとくるか、グッとこないか。理屈じゃ追いつかないですね。だから、しっかり向き合ってもグッとこない曲もあったりして。そういうときは凄い凹みますし。そういう「グッとくるか、こないか」っていうのと……あとは「自分の曲になるか、ならないか」。僕が好きな曲、支えられた曲は自分の曲となって、グッとくるので。

FUJI:ちゃんと記憶に残る曲というか。

KENTA:昔の曲でも色褪せずに残ってる曲、いっぱいあるじゃないですか。凄くシンプルなことをやってるのに届き続けてるっていうのは、一人ひとりの生活にハマってるっていうことだろうし。WANIMAが曲を作るのも、あと何十回か何百回かわからないですけど、限られてるなと僕は思っています。その限られた中で、みんな、一人ひとりの曲になるように音楽と向き合って生きます。(取材・文=ヤコウリュウジ)