ヨガ・瞑想の抗ストレス効果、遺伝子レベルで確認

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瞑想やヨガ、太極拳のような「マインドボディー運動療法」と呼ばれる運動に実際に効果があるかどうか、まだ疑問に思っている人たちもいるだろう。

だが、「心身介入療法」とも呼ばれるマインドフルネスや瞑想、ヨガ、リラクゼーション反応(ストレス度を下げる反応を促す行動)、太極拳、気功などは、私たちの遺伝子のレベルにまで影響を及ぼしていることが確認された。

免疫学分野のオープンアクセス・ジャーナル「フロンティアズ・イン・イムノロジー(Frontiers in Immunology)」に6月16日に掲載された論文によると、これらの運動はいずれも、多数の遺伝子の発現に好影響を与えていると見られている。そして、それらの遺伝子の中には、ストレスと炎症に関与するものも含まれる。

発表された論文は、これらの運動と遺伝子発現の関連性について行われた過去の研究データを収集・解析し、その結果をまとめたもの。これらの運動がいずれも、ストレスや炎症への関連性が最も高いとみられる遺伝子の発現(増減の双方を含む)に影響していることを明らかにした。

特に、ストレスを受けた時に活性化し、炎症に関連する遺伝子の発現を誘導するタンパク質複合体の「NF-κB」が減少していた(炎症反応が抑制されていた)ことが、複数の結果において示されていたという。

そうした遺伝子発現の変化は、長期的な健康にとって良いことだ。論文の主著者は、「世界中の何百万という人たちがヨガや瞑想などがもたらす健康上の効果を享受している。だが、そうした効果が分子レベルで始まり、遺伝子情報の発現まで変化させていると見られることは、恐らく認識していないだろう」と述べている。

もちろん、研究結果には注意すべき点も多い。メタ解析の対象とした複数の研究の中には、コントロールグループを設定していなかったものもある。また、それぞれの研究は異なる運動を対象とし、異なる方法で実施されていた。心身介入療法がどのように私たちの全般的な健康促進につながるのかは、まだ説明がなされていない。

慢性的なストレスと炎症が病気と関連していることは、過去のその他の研究で明らかになっている。今後はこれらの運動を行っている人たちの身体的な健康がどのように変化するのか、長期にわたって検証していく必要もあるだろう。

試す価値はある

これらの運動が私たちの免疫系を変化させるという研究結果が示されるのは、今回が初めてではない一方で、ヨガとその呼吸法(プラナヤマ)から気功まで、どの運動においても炎症を抑制する効果があると確認された点は、興味深い。

私たちは何千年も前から、これらの運動が私たちにさまざまな効果をもたらしてくれることを知っている。どれでも自分が興味を持てるものを、試してみるといいだろう。

効果に疑いの目を向けてきた人たちがいる一方で、科学はその効果を裏付け始めている。朗報といえるのは、そうした中でこれらの運動には計測可能であり、恐らく長期間にわたって持続する効果があると考えられることだ。