保育の現場というと、女性が多いイメージがある。保育業界における男性保育士の現状はどうなっているのか。男性保育士の草分け的存在である、しらこばと幼稚園の園長、菊地政隆先生に話を聞いた。

●男性保育士が働ける環境が整いつつある

「僕が国家資格を取り男性保育士を始めたころは全国でも1000人程度しかいませんでした。今は男女を合わせた全体の保育士の中で、男性は2014年の時点で6.6% 。以前は後に続きたいと思うような先輩はいませんでしたが、今は目標にしたいと思うような先輩がいることも大きい変化だと思いますね」(菊地先生 以下同)

菊地先生の著書である『大きなおうちの奮闘記』(北水)によると、約20年前は男性保育士を採用した例がない施設も多く、ロッカーや着替える部屋もなかったため着替えは廊下でしていたとか。現在では、新設された保育園に限っては、男女両方のロッカーや更衣室、トイレが用意され、職場環境は変化しているという。

●SNSで千葉市長がした発言から分かること

ちなみに、今年1月に千葉市長である熊谷俊人氏がツイッターで、千葉市が男性保育士活躍推進プランを策定したこと、また女児の保護者から「着替えさせないで」という要望があることについての発言 があり、盛んに議論が行われた。このことについては?

「男性の保育士が女の子のおむつ替えがダメで、女性の保育士が男の子のおむつを替えるのは問題ないとするのは、性差別につながります。ただ、私が保育士を始めた当時は男性保育士が珍しい時代で、男性保育士によるおむつ替えは論議がされることもなかった。今は2万人近くに増えて、男性保育士がいることが当たり前。男性保育士の存在が認められて、その中で起きた議論なんだと感じました。やっとこういうことが問題にされる時代になったのかと思いましたね」

男性保育士が働く様子を見ることで、父親が育児に関心を持つことも多いという。共働きが当然の時代、男性保育士の存在は子どもを育てるのに男女の違いは関係ないという当たり前の事実を気付かせてくれる存在になるのかもしれない。

(ノオト+石水典子)