米ナショナル・パブリック・ラジオのウェブサイトは20日、「中国はなぜオーストラリアの農地を買いあさっているのか」と題した記事を掲載した。写真は豪州。

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2017年6月22日、星島環球網によると、米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)ウェブサイトは20日、「中国はなぜオーストラリアの農地を買いあさっているのか」と題した記事を掲載した。

豪州のワイン醸造所は業績を急速に伸ばしているが、中国での販売が好調なことが大きく影響している。5年前まで、豪州ワインの最大輸入国は英国と米国だったが、現在ではほぼ中国が一手に握るようになっており、対中輸出は年40%ものペースで成長している。

投資対象はワインに限ったことではなく、農業のさまざまな分野に及んでいる。2016年だけでも豪州の農業に対する中国からの投資総額は3倍以上、前年の3億ドル(約334億円)から10億ドル(約1114億円)にまで増えるという空前の投資ブームが起きている。

「中国と同じ標準時間帯にあるほか、豪州の農産物が持つクリーンで安全なイメージが、中国人の投資を後押ししている」と、ある豪州ワイン醸造所の経営者は話す。シドニー工科大学の経済学者は、中国企業の間では消費者の急激な拡大に合わせてワインや乳製品など多種多様な食品を提供する新たなルートを確保し、巨額の利益を得ようとする動きが活発になっていると指摘する。

2年前には、米サウスカロライナ州に匹敵する豪州最大の巨大牧場を中国企業が買収しようとしたが、現地で強い反発が起きた。豪州の企業は長期の資金不足に陥っており、中国マネーの投資を歓迎したが、多くの市民が激しく反対。国も「国家利益に反する」とし、その結果、牧場株式の3分の1を売却することになった。

中国の農地買収は自由化されていないが、シドニー大学の専門家は、中国人投資家が投資ビジネスの手法を変えただけにすぎないと指摘する。ワイン醸造所では中国人バイヤーが商品をすべて買い上げるようになっており、いずれは家族経営の農場がことごとく買収され、大規模農場に作り替えられてしまい、その農場は「世界最大の消費者=中国人のためだけの農地」にされてしまうと注意喚起している。(翻訳・編集/岡田)