世界の女性は男性より1日52分多く働いている(無報酬労働含む) 日本は逆に……

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 共働きが一般的となった現代において、男性も女性も仕事と家事・子育てを分担して行う家庭は多い。しかし、未だ女性が負担することの多いと思われる家事や育児なども労働時間として含めると、実は世界的には女性の方が男性よりも約一時間長く働いているという。

◆女性は男性より長時間働いている(無報酬労働を含めれば)
 国際機関「世界経済フォーラム」はOECD29カ国のデータに基づき、男女の報酬ありの労働時間と、家事や育児などの無報酬の労働時間について扱ったレポートを発表している。

 男性の労働時間は一日平均7時間47分であり、そのうち無報酬の仕事は1時間30分だという。一方の女性はというと、平均一日8時間39分も働いており、そのうち4時間47分が無報酬の仕事であった。報酬がある労働時間では、男性が平均6時間37分、女性が平均3時間52分と男性が長い状況だが、家庭内の労働では女性が男性より3時間以上も長く働いている。

 つまり、OECD29カ国の平均は、家事・育児を含めると女性のほうが52分ほど長く働いているということだ。

◆各国の家事・育児の男女負担状況
 OECD諸国のなかでは、男女の労働バランスがとれている国もあれば、著しく偏っている国もある。

 男女の無報酬の労働時間の差が最も小さいのはスェーデンであった。同国では女性が平均3時間26分の労働を無報酬で行なう一方で、男性も平均2時間34分を無報酬の労働に費やしており、男女間の差が48分しかない。また報酬ありの労働時間も男女で一時間ほどの差しかなく、男女間の労働時間が最もバランスがとれているといえるだろう。

 一方で男女の無報酬の労働時間に顕著な差が見られたのはアジア諸国だ。トルコはOECD諸国で男女の労働時間の差が最もあり、無報酬の労働時間は男性が平均1時間56分、女性が平均6時間16分だという。

 また日本も男女間の無報酬の労働時間の差が非常に激しい。日本では無報酬の労働時間は、男性が平均1時間1分、女性が平均4時間59分もある。このように日本では、特に男性の無報酬の労働時間が他国と比べて明らかに少ない。なお、報酬ありの労働時間を含めると、男性は8時間53分、女性は8時間25分と男性の方が30分程度長い結果であり、OECD全体とは異なる結果であった。

◆男女の無報酬労働のバランスを見直す必要性
 このように、無報酬の労働時間に男女間で依然として大きな差が存在している状況は、女性の社会進出が進んでいる現状とミスマッチといえるだろう。上で挙げたようにスウェーデンは男女間の労働時間の均衡に最も成功している。本レポートを作成した世界経済フォーラムの記事によると、同国では480日間の育児休暇が認められており、そのうち90日が父親に提供されている。日本などの家事・育児について女性の負担が高い国では、フレキシブルワークの導入や、手頃な価格で質の高い児童保育の導入などが求められるだろう。

 スウェーデンなど、男女間でのバランスのとれた家事・育児負担に成功している国もあり、無報酬の労働時間におけるジェンダーギャップの改革は決して不可能ではない。特に偏りの大きなアジア諸国では、男性側が積極的な家事・育児への協力することの意識醸成と、それを実現する社会インフラの整備が、女性活躍推進のためには必要ではなかろうか。