加計学園問題などを抱え、支持率に陰りものぞく安倍首相。そんな安倍政権の「応援団」は皮肉にも中国と北朝鮮だ。日本への「風圧」が政権の求心力を下支えしている。慰安婦問題が再燃している韓国も仲間入りしそうだ。写真は国会議事堂。

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2017年6月23日、加計学園問題などを抱え、最新の各種世論調査で支持率に陰りものぞく安倍晋三首相。そんな安倍政権の「応援団」は皮肉にも中国と北朝鮮だ。日本への「風圧」が政権の求心力を下支えしている。文在寅政権の誕生で慰安婦問題が再燃している韓国も応援団に仲間入りしそうな雲行きだ。

まず中国。東シナ海の沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺では中国公船による領海侵入が常態化している。広範な領有権を主張する南シナ海でも軍事拠点化を緩める気配はない。防衛省によると、昨年4月〜12月末までの間に航空自衛隊が領空侵犯に備えて緊急発進(スクランブル)した回数は838回で、前年同時期と比べて316回増えて過去最多となった。国別では中国機に対する発進が644回と、前年同時期から271回も増えた。

日本人を標的にした攻勢も目立つ。「スパイ活動」の疑いで、この2年間に中国で拘束された日本人は12人にも上る。中国当局が詳細を明らかにしていないため、事の真偽は不明だが、中国網は「12人はどんな活動をしていたのか」との記事を掲載。「日本は最近、海外情報に力を入れるため、政府内に新たな機関を設置。スパイ活動を行うチームを拡充させている」などと敵対視している。

核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮から吹く風はさらに強烈だ。今年なってからも、日本海に向けて弾道ミサイル発射を繰り返し、一部は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。核攻撃をちらつかせながら、「有事には米国より先に日本列島が丸ごと焦土になり得る」「米軍の兵たん、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に(核爆発による)放射能雲で覆われる」などとも威嚇している。

安倍首相は日本を取り巻く安全保障環境の変化を理由として野党の反対を押し切り、一定の条件下で集団的自衛権の行使は認められるという14年7月の憲法解釈変更の閣議決定や、15年9月の「平和安全法制」の制定などを積み重ねてきた。日本に圧力を強める中朝両国の動向を目の当たりにすると一連の取り組みは説得力を持ち、日本国内のナショナリズムとも相まって政権を少なからずアシストしている。

一方、韓国の文大統領は米紙とのインタビューで、15年末に日本との間で「不可逆的に解決」したはずの慰安婦問題について「日本政府の公式謝罪」に言及した。「ゴールポスト」が動く事態になれば日本国内の反発を招き、韓国に譲らない態度を取る安倍政権の追い風になりそうだ。

安倍首相の応援団は国内にもいる。民進党だ。共同通信社が17,18両日に実施した世論調査によると、内閣支持率は加計学園問題などが響き、44.9%と前回5月から10.5ポイントも急落。不支持率は8.8ポイント増の43.1%になったが、支持する理由は「ほかに適当な人がいない」が46.1%と最多だった。NHKの6月の世論調査でも「他の内閣より良さそうだから」が50%を占めた。迷走を続けた旧民主党政権3年間のツケは大きい。(編集/日向)