投資用不動産は価格上昇を予想する投資家が一定数存在し、高値圏で推移している。しかし、価格下落を予想する投資家も増えている。

 株式会社ファーストロジックは、運営する不動産投資サイトの物件情報をもとに不動産市場動向を調査し、その結果をまとめた「投資用 市場動向データ 最新版2017年5月期分」を6月7日に発表した。対象期間は5月1日から31日で、対象エリアは全国。

 5月に同社の不動産投資サイトに新規掲載された投資用区分マンションの物件価格の平均は1,536万円で、前月を8万円上回った。物件価格の推移をみると、2016年8月に1,774万円をつけたあと2016年12月には1,300万円台に落ち込んだが、その後は上昇傾向にあった。一方、投資家から問い合わせのあった物件価格の平均は1,211万円で、前月を24万円下回ったものの高値圏で推移している。

 1棟マンションの物件価格をみると、新規掲載物件の平均は2億1,630万円で同414万円上昇、問い合わせ物件の平均は1億9,078万円で同81万円上昇した。1棟アパートの物件価格をみると、新規掲載物件の平均は6,851万円で同65万円下落、問い合わせ物件の平均は6,240万円で同484万円上昇した。いずれの物件価格も上昇と下落を繰り返しながら高値圏で推移している。

 一方、野村不動産ホールディングス株式会社は6月12日、「2017年度 不動産投資に関する意識調査(第9回)」の結果を発表した。調査期間は5月18日から24日、調査対象は同社が運営する不動産投資情報サイトの会員485名(そのうち99名が投資用不動産非保有者)。

 投資用不動産の買い時について聞くと、「買い時はしばらく来ないと思う」が2016年5月の前回調査より6.2ポイント増加して52.2%になった。「買い時だと思う」は同5.9ポイント減の26.8%、「間もなく買い時が来ると思う」は同0.3ポイント減の21.0%だった。

 1年後の不動産価格の予想を聞くと「上がる」が同5.9ポイント減の24.9%、「横ばいで推移する」が同2.6ポイント減の48.5%となる一方、「下がる」が26.6%で同8.5ポイント増加した。また、「上がる」と予想した人は2015年5月に実施された前々回調査では55.6%に達しており、2年間でその割合が大きく減少した。

 投資用不動産の物件価格は、依然高値圏を推移しているものの、1年後の下落を予想する投資家も増えつつある。今後の市場動向には注目しておく必要がありそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]