韓国のテレビ番組で、外国人だけが出る番組がある。ある時、この番組でMCが男性たちに質問していた。「一番好きな韓国語は何ですか」。出てきた答えの中で一番多かったのが「オッパ」だった。写真は韓国。

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韓国のテレビ番組で、外国人だけが出る番組がある。留学生とか、ビジネスで韓国に暮らしている人々だ。女性もいるし男性もいる。

ある時、この番組でMCが男性たちに質問していた。「一番好きな韓国語は何ですか」。出てきた答えの中で一番多かったのが「オッパ」だった。

オッパの意味は単純だ。女性が自分の兄を呼ぶ時の呼称である。韓国は親族呼称が非常によく発達していて、例えば日本語で「おばさん」というのは、韓国語では「イモ」と「コモ」と二つある。

イモ(姨母)というのは母の女の姉妹を、コモ(姑母)というのは父の女の姉妹を指す。ちなみに母の男の兄弟は「ウェーサムチョン」となり、父の男の兄は「クンアボジ」、弟は「チャグンアボジ」となる。父に兄が3人いる場合であれば、1番目のクンアボジ、2番目のクンアボジ、3番目のクンアボジという言い方になるわけだ。図示しないとちょっと頭がこんがらがってしまうかもしれない。

ところでなぜ「オッパ」が外国人男性らの一番人気の単語に選ばれたのかというと、実は「オッパ」には自分の兄だけではなく、友達的な男性のことや、あるいはさらに進んで自分の好きな男性のことを言い表す意味もあるためである。

どうだろうか。日本の読者の中でこの「オッパ」という発音を聞いたら、なんとなくいい感じだなと感じる人はあるだろうか。お兄さんという意味になるわけであるが、韓国でこのオッパという音で自分が呼ばれるというくらい男をうれしがらせることはないと言えるだろう。

日本だったら、好きな女の子から「お兄さん」と言われてももちろんピンと来ない。そういう習慣がないから。ここはやはり「ともやくん」とか「ひろきくん」など、名前で呼んでもらわないとちょっと困る。

それと、ちょっと面白いのが「オッパブデ」なる単語。ブデは「部隊」の韓国語で、オッパブデは「オッパ部隊」、つまり人気の男性歌手などの「追っかけ」に相当するわけだ。私は歌手でもないし人気タレントでもないのでよく分からないが、もし歌手かなんかだったら「追っかけ」に取り巻かれるよりは、「オッパブデ」に黄色い声を上げられた方がうれしい気はする。

■筆者プロフィール:木口政樹
イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年〜現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。