中国・杭州で開催されたG20サミットで話すロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)とバラク・オバマ米大統領(2016年9月5日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は23日、2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利を助けるようロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が自ら直接命じたとの情報を、米中央情報局(CIA)が16年8月にホワイトハウス(White House)に伝えていたと報じた。

 その情報はホワイトハウスに衝撃を与えた。だが、まだ民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の勝利を確信していたバラク・オバマ(Barack Obama)政権はロシア政府に警告するにとどめ、対抗措置は選挙後に行うことにしたと同紙は報じた。オバマ大統領が米大統領選に介入していると捉えられる可能性も懸念したという。

 同紙によれば、ホワイトハウスはプーチン大統領による選挙介入の情報が入ってすぐに、国家安全保障への深刻な脅威だと判断した。秘密の情報タスクフォースが作られ、情報確認と対策立案を行った。

 タスクフォースは内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」にクリントン陣営のメールが暴かれた恥ずかしい一件では何もできなかった。焦点は、ロシア政府が有権者登録のリストや投票機をハッキングして大統領選の結果を操作できるか否かに移った。

 状況悪化を恐れたオバマ政権は当面の報復措置は見送り、その代わりにロシア政府に直接、これ以上踏み込むなと厳しく警告した。オバマ大統領からプーチン大統領へ、CIA長官からロシア情報機関のトップへ、そして外交のトップレベルのチャンネルを通じて──警告は少なくとも4回発せられたとワシントン・ポストは報じた。オバマ政権は、それでロシアは手を引いたと信じたという。

 政府高官は「報復措置を取る時間は選挙後に十分あると私たちは判断した」と同紙に語った。しかしトランプ氏が驚きの勝利を収め、オバマ政権内では強硬策に出ておけば良かったと深い後悔が広がったという。トランプ氏の勝利によって対抗措置は緩いものとなった。

 オバマ大統領は12月末、ロシア人35人を国外退去処分にし、対ロシア制裁を強化するという控えめな措置にとどめた。オバマ氏はロシアの重要インフラシステムにサイバー兵器を「埋め込む」計画も承認したとワシントン・ポストは報じたが、トランプ政権がその計画を実施したかどうかは不明だとしている。
【翻訳編集】AFPBB News