「感覚は全然違う」
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 嵐の大野智が『映画 怪物くん』の中村義洋監督と再びタッグを組み、同作以来約6年ぶりに映画単独主演を務める『忍びの国』。劇中では、圧倒的な腕を持つ無慈悲な伊賀忍者・無門を、ひょうひょうとしながらも味わい深く演じているが、彼にとってアイドルグループ・嵐を離れて行う俳優活動はどういった位置づけなのだろうか。

5人のときは5人の空気感

 国民的グループ・嵐のリーダーを務める大野。バラエティー番組等では、飾らぬ人柄で柔和な雰囲気を醸し出しており、本作で共演した石原さとみも「とても自然体で嘘がない感じ」と印象を語っているように、肩の力が抜けたナチュラルな姿を見せる。一方で、コンサートでは、キレのあるダンスや伸びのある歌声を披露しており、その多面性で多くの人を魅了している。劇中の無門も、普段はひょうひょうと任務をこなしているが、いざというときには、ポテンシャルの高さを発揮し、そのメリハリに目がくぎづけになる。

 そんな大野だが、嵐での活動と一人の俳優活動では「感覚は全然違う」という。「5人でいるときは5人の空気感みたいになるけれど、こうして一人でいる現場では『ちゃんとしよう』っていう意識が強くなりますね。うまく言えませんが、なんとなく出張に行く感じかな。僕以外のメンバーも個人で俳優をやっていますが、みんな『行ってきます』と言って現場に出掛けていって、帰ってくると『ご苦労さま』みたいな。ずっとそういう感じですね」。

 大野が本作の撮影を行っている間、偶然、二宮和也と松本潤も別の作品で撮影に入っていたという。「あんまり芝居の話とかはしないんですよね。それよりも『いまどのぐらい進んでいるの?』とかスケジュールの話をすることが多いですね。今回も映画の撮影中にアリーナツアーがあったのですが、楽屋では松潤が『もうすぐ終わりだわ』とか、ニノが『あと2週間ぐらいかな』なんて話をしていて、僕はまだたくさん撮影が残っていたので、なんか取り残された感があったり……(笑)。そんな会話が多いですね」。

 それでもお互いにメンバーの作品には注目しているようで、「今回の撮影中、ニノが現場に顔を出してくれたのですが『リーダーの作品観たい』って言ってくれたり、相葉(雅紀)ちゃんも『観る』って言ってくれていました」と明かす。

スタッフに気を使わせない“現場力”

 前述したように、大野演じる無門はひょうひょうとしているが、伊賀一という腕を持つ忍者。劇中には激しいアクションシーンも多数登場する。手数も多く、かなりハードな撮影が想像されたが「ワイヤーアクションのシーンなどは10テイク以上繰り返したこともありましたが、僕はただワイヤーにつるされているだけだったので、スタッフさんの方が大変だったと思います。高いところで海が見渡せて『キレイだな〜』とか『あそこで釣りしたことあるな〜』とか結構癒やされていましたね」と涼しい顔。大変であっても大変と思わせないところが、他のスタッフに気を使わせない彼の“現場力”なのかもしれない。

 激しいだけではなく、緩急自在なアクションも魅力で、あるシーンでは大野がダンスをしながら槍をよける場面もある。「(鈴木亮平演じる)下山平兵衛との殺陣の撮影が3日間ぐらいあって、中村監督も達成感でいっぱいになったのか、次のシーンのことを考えていなかったらしいんです。急に呼び出されて『考えて』って言われたんです」と苦笑いを浮かべながら撮影を振り返った大野。

 「『マジか』と思ったのですが、30分ぐらい時間をもらっていろいろプランを考えたんです。でもそのシーンって映画ではあまり使われていないんですよ。もっと面白い動きもしていたんだけどな」と口をとがらせるが、「中村監督らしい空気感の現場だったので、何がしたいかわかるし、すごく面白かったです」と充実した撮影だったことを語っていた。(取材・文:磯部正和)

映画『忍びの国』は7月1日より全国公開