裁判所の「理不尽な判断」の理由とは?

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「システムに欠陥が多すぎて使えない!」
「開発や保守・運用費用が高すぎる!」
「なぜか社員が協力してくれない……」
「経営者がシステムのことを全然わかってない……」

ホームページ、ECサイト、Webマーケティングシステム、AI、ビッグデータ、IOTなど、ITシステムが企業の経営を左右する時代。……にもかかわらず、ほんの数年前まで、日本のITシステム開発は3分の2が失敗しており、今もなお、システム開発は他のプロジェクトと比べると成功率の低いのが現状です。

そこで、かつてない「発注者のための入門書」として、発売直後から注目を集めている『システムを「外注」するときに読む本』。本連載では、そのエッセンスを大公開。70以上のトラブルプロジェクトを解決に導き、紛争解決率9割を超えた「トラブル解決請負人」が、システム開発プロセスに潜む「地雷」を紹介しながら、成功のポイントを伝えます。

どうすれば、会社が幸せになる「本当に役に立つシステム」が作れるのか?
経営者・CIO・システム担当者・プロジェクトマネージャーの必須知識!

なぜ、未完成のシステムにお金を払わなくてはいけないのか?

ご存じの方も多いかと思いますが、かつて、企業や団体などが情報システムを導入しようとして、成功する確率は「3割に満たない」と言われていました。逆からいえば「失敗率7割」だったわけです。

ここで「成功」というのは、納期とコストが「まあ許容できるかな」という範囲で守れて、発注者の要望が満たされた上に、システムの欠陥も「まあ我慢できる範囲で済んだな」というプロジェクトを指します。

この「成功率3割」という数字は、後の調査では随分改善したとされていますが、それにしたって異常に低い数字です。

もし、家の建築を頼んだのに、施主が受け入れられない予算オーバーや納期遅れ、あるいは欠陥住宅が10軒のうち3軒もあるような建設会社や工務店があったら、そんなところには絶対に発注したくないでしょう。 しかし、システム開発の世界では、現実にそうした調査結果が出ているのです。

しかも、それだけではありません。場合によっては、システムが完成しなかったにもかかわらず、発注者が、莫大な費用をITベンダーに払わなければならないという「理不尽」なことがあります。

そこで1つ、裁判にまで発展してしまった、システム開発を巡るトラブルの例をご紹介しましょう。

まず、判決に至る経緯は次ページの通りです。

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