グラフィックボードの性能向上に伴ってチップの発熱具合もうなぎ登りで、コアなゲーム愛好家を中心にグラフィックボードを水冷化するという需要が高まっています。ASUSのグラフィックボード「ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING」は、空冷クーラーを取り去って専用の水冷ヘッドに交換するというGPU水冷化の手間を省いてお手軽に水冷化できるように、空冷クーラーだけでなく水冷ヘッドを搭載するハイブリッド仕様になっているとのこと。ハイブリッドクーラーでグラフィックボードを水冷化して、GPU性能を向上させられるのか試してみました。

ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING | ビデオカード | ASUS 日本

https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING/

◆開封&外観チェック

ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGはいかにもROG+NVIDIAというカラーのパッケージになっています。



箱の中には黒い箱。



中身は、グラフィックボード本体、簡単な説明書、ドライバDVD、ROGステッカー、8ピン用ケーブル×2、ストラップとなっていました。



ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING本体。液冷(水冷)用ヘッドに2つのG1/4規格のソケットが特徴的。ネーミングから分かるように、NVIDIAのGeForce GTX 1080 Tiを搭載するハイエンドグラフィックボードです。



さっそく保護フィルムをペリペリと剥がします。



なお、水冷ヘッドのネジを外さないと保護フィルムが剥がれないようになっていました。



黒×灰とゲーミンググラボにしてはシックなデザインのROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING。



ファンは2基搭載。独自のウィングブレードファンによって、一般的な形状のファン比で105%増の風圧を実現するとのこと。



天面。2スロットを完全に占有します。



グラフィックボードから飛び出したような水冷ヘッド。ROGロゴの付いたネジを回すとG1/4規格のねじ穴が空いており、各種水冷キットに接続してグラフィックボードを水冷化できます。



背面にはプラスチック製のキャップ。



水冷ヘッドには分厚い金属製のヒートシンクが連なっており、ファンとグラフィックボード基板の間にはさまれている形。なお、ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGは水冷化せずとも空冷ファンだけで使用することも可能です。





右ファンの天面はIN WINのPCケース「805 Infinity」でも採用された「インフィニティミラー」を搭載。



グラフィックボードエンドには、LEDイルミネーションを制御するための「Aura Sync」用のコネクタを搭載しており、Aura Sync対応のマウス、キーボード、PCケースなどのLEDの光り方をマザーボードで制御できます。



補助電源は8ピン×2。



バックプレートにはROGロゴ。なお、このROGロゴはLEDになっており光ります。



外部コネクタは、HDMI×2、DisplayPort×2、DVI×1。HDMIポートが2つあるので変換アダプターを使うことなくVRヘッドセットを利用できそうです。



手に取るとずっしり重いROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING。



重さを量ってみると1.6kgオーバー。ちょっとしたモバイルノートPCよりも重いことが分かります。



平置き状態のマザーボード「ASUS X99-A II」に搭載してみました。



NVIDIAのリファレンスグラフィックボード「ZOTAC GeForce GTX 1080 Founders Edition」と比較すると、ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGは一回り大きめ。



飛び出た水冷ヘッドとインフィニティミラー部分。



長さもリファレンスグラフィックボードより長め。



全長は約29センチメートルでした。



◆使ってみた

水冷ヘッド搭載グラフィックボード「ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING」の性能&冷却能力を調べるべく、以下の構成で使ってみました。

CPU:Intel Core i7-6800K

マザーボード:ASUS X99-A II

メモリ:Corsair Vengeance(CMK16GX4M2A2666C16)(8GB×8)

SSD:Samsung 950 Pro M.2(256GB)

電源:Corsair RM750x

GPU:ASUS ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING

なお、水冷化しやすいようにテストはPCケースからマザーボードと電源を取り出した平置き状態で行っています。



PC起動時のROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGのファンの挙動は、以下のムービーで確認できます。

水冷ヘッド搭載GTX1080Tiグラボ「ASUS ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING」はBIOS画面でもファンが停止の無音状態 - YouTube

驚くべきことに、電源投入時にごく短い時間だけファンが回ると、BIOS(UEFI)画面からWindows 10起動に至るまで、ファンは停止しっぱなし。ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGは58度以下の温度ではファンが停止する仕様になっており、少々の作業ではファンが回ることはありません。そのため、ポスト画面が出るまでは「故障したのでは!?」と誤解してしまい不安になるほどでした。

電源ON時にインフィニティミラーは、奥深くまでLEDライトが連なるように見えるギミックになっています。



◆空冷状態でのベンチマークテスト

ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGは、基本的には2基の空冷ファンで冷却します。もちろん水冷化しなくても、このまま何の不自由なくGTX1080Tiをフルパワーで使えます。



今回はベンチマークソフトとして3DMarkを使用しました。水冷ブーストなしの完全空冷状態と、空冷+水冷のハイブリッド状態でのスコアを比較して、性能向上を調べることにします。

3DMark - test your graphics card with the gamer's benchmark

http://www.3dmark.com/

ベンチマークを測定するときに、GPUの周波数や温度を調べるツールとして、ASUS純正の「GPU Tweak II」をインストールしておくと作業がはかどります。

ASUS │ GPU Tweak II

https://www.asus.com/event/VGA/GPU-Tweak-II/

上記サイトにアクセスして、「Download Now」をクリック。



「Driver&Tools」の「Please Choose」をクリックして、OSを選択します。



OSを指定したら、「Utilities」をクリック。



「Download from」の「Global」をクリックしてインストーラーをダウンロードして、GPU Tweak IIをインストールすればOK。



GPU Tweak IIの画面は、GPUクロック数・メモリクロック数・GPU温度の各グラフを示す左画面と、GPUのセッティングを行う右画面に分かれています。右画面でオーバークロックすることも可能です。



・空冷(デフォルト状態)

テストはすべて室温25度の状態で行いました。



水冷化しない空冷状態でのスコアは「9000」



GPU温度は48度となりました。なお、水冷ヘッドの金属部分は手で触れられないほど発熱しました。



・空冷(OC状態)

GPU Tweak IIに標準で用意されている「OC Mode」でOCした状態でテストします。OCするとGPUブースト周波数はデフォルトの1708MHzから1733MHzに高まる模様。



ベンチマーク結果は「9261」となり、オーバークロックによる性能向上が確認できました。



◆水冷化してみた

いよいよ水冷ブースト時の性能を調べるべく、水冷化してみます。まずは、水冷ヘッド裏のキャップを取り外して、水冷ヘッド表に取り付けられていた金属ネジに交換します。裏面のプラスチック製キャップを表面の金属交換ネジに交換する作業を忘れると水漏れして機材が壊れるので要注意です。



次に水冷ヘッドのG1/4ネジ穴にフィッティングを装着。



ソフトホースをつなぎます。



ラジエーター、ポンプ、リザーバー、グラフィックボードをそれぞれ接続完了。



最後にポンプの電源をONにして、リザーバーから少しずつ冷却水を入れていきます。



水漏れがないかチェックしつつ、気泡がなくなるまで待ちます。



水漏れチェックが完了したら、システムに組み込んで準備完了。



・水冷(デフォルト状態)

水冷化した状態で、3DMarkのベンチマークを走らせると、なんとファンは回らず。



スコアは「9234」と、空冷(OC状態)とほぼ同等の数値になりました。



温度を調べてみると最大でも42度。ベンチマークテストでさえ58度まで到達することはないため、GPU Tweak IIなどのツールでファンのRPMを手動で指定しない限り、水冷ブースト状態ではほとんどファンが回る場面はなさそうです。



・水冷(OC状態)

水冷状態でGPU Tweak IIによるOCでのスコアは「9328」と、テスト中で最高のスコアが出ました。冷却に余裕があり安定して高い周波数を維持できるため、高い性能を実現できるようです。



なお、OC状態でもGPUの最高温度は42度で変わらず。



FLIRで温度を調べると水冷ヘッドは32度程度と冷え冷えでした。



ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMINGは、空冷クーラーだけでなく水冷ヘッドを使って本格水冷化できるので、確実にGPUを冷やしてシステムを安定稼働させることが可能です。多くの場面で空冷ファンを回すことなくゲームなどの負荷の高い作業が可能。仮に空冷ファンが壊れた場合でも、何の問題もなく作業を続行させられそうです。



CPUやVRM周りに水冷ヘッド搭載した「ASUS ROG MAXIMUS IX EXTREME」などの本格水冷対応マザーボードと組み合わせればシステム全体をお手軽に水冷化できそうです。



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