『ひだまりが聴こえる』

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…中編「少女漫画なら許されない恋愛未満さはBLだからこそ活きる!」より続く

【元ネタ比較】『ひだまりが聴こえる』後編
心洗われる作品を腐女子以外にも見て欲しい!

 耳が不自由で殻に閉じこもりがちな航平と元気で明るい太一の心の交流を描いたBL漫画「ひだまりが聴こえる」が実写映画化された。航平は難聴で聴き取り辛い授業のノートテイクを太一にしてもらい、太一は航平からお弁当をもらう日々を重ねていくうち、心の距離も縮まっていく。

『ひだまりが聴こえる』多和田秀弥×小野寺晃良インタビュー

 お弁当をもらって純粋に喜んで頬張る太一がとってもかわいい! 食べ物を美味しそうに食べる男の子っていいな、とそれだけでもキュンとする。

 この太一を演じるのは『ひるなかの流星』などの弱冠17歳の小野寺晃良で、原作の太一にイメージぴったり。明るく元気でクリッとした瞳が印象的でかわいい!

 腐女子のみなさん、朗報です! 三次元の太一もかわいいです! 顔もかわいいけど、出で立ちがなんとも愛らしい。背は高くないけど特に低くもなく、体が華奢だけどナヨナヨしてるわけでなく骨張ってて男の子っぽい。これ、重要。

『ひだまりが聴こえる』にエッチシーンなんて登場しないが、太一はBL用語でいう“受け”(=女役)の立場。細分化されたBLジャンルにはいろんなタイプの受けが登場するが、太一のようにピュアで素直な男の子は受けの王道。

そんな少女漫画のヒロインみたいな受けが女の子っぽかったらBLである意味がないわけで、女の子っぽくないことが重要なのだ。

 小野寺晃良扮する太一はその重要ポイントをクリアしていて、これぞピュアっ子受けの理想! かわいいけど男の子っぽくて、男の子だけどかわいい。ひょろっとした首が細くて長くてうなじに萌える〜。

 一方、攻め(男役)の航平を演じるのはミュージカル「テニスの王子様」などの多和田秀弥で、彼は正直言って微妙。原作のナイーヴな航平のイメージとは違う気がするし、その欠けてるナイーヴさを醸し出そうとしてか目で演技してる表情がちょっと怖い。サイコパスっぽく見えて、太一! 逃げて逃げて〜!と思ってしまうシーンも。

 いや、それは太一がかわい過ぎるからだ。受けの理想のこの太一を見るだけでも腐女子のみなさんは一見の価値大いにあり。

 そして、タイトルに違わず陽の光を美しく生かした映像にも心洗われ、純粋で温かい気持ちにしてくれる心の交流は腐女子はもちろん、腐女子以外にも見て欲しい静かな感動を呼ぶドラマに仕上がっている。(文:矢野絢子/ライター)

『ひだまりが聴こえる』は6月24日より全国公開される。