『ひだまりが聴こえる』

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原作と映像化された作品を、重箱の隅をつつくように細か〜く比較する【元ネタ比較】。今回は『ひだまりが聴こえる』を取り上げます。

【元ネタ比較】『ひだまりが聴こえる』前編
高クオリティの人気作を映画化!

 心が洗われるほどのピュアな気持ちと切なさと、甘酸っぱい胸キュンが詰まったBL漫画「ひだまりが聴こえる」が実写映画化された。

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文乃ゆきによる原作は、これがデビューコミックというのが信じられないほどクオリティが高い。人気も高く、その証拠に前日譚となる短編と続編もコミックスが発売され、さらにその後を描く「ひだまりが聴こえる-リミット-」が連載中だ。

壁ドンや彼シャツなどの特別なシチュエーション萌えがあるわけでもないし、かと言ってエロティックなわけでもない。でも、2人の男の子の繊細で純粋な心の交流が描かれて、読んでると温かい気持ちになり、絵のタッチもやさしく柔らかく、まさしくタイトル通りに“ひだまり”のような癒し系BLだ。

メインキャラの1人は中学のときに突発性難聴を患って耳が不自由な大学生の航平。物静かで内向的で耳が不自由な事もあって人づき合いが苦手な男の子だ。

もう1人は航平とは違って明るく元気で裏表がなく、元気良過ぎてカッと頭に血が上りやすいのが玉にキズな同じ大学に通う太一。たまたま大学の構内で出会った2人、航平は難聴で聴き取り辛い授業のノートテイクを太一にしてもらい、太一は航平からお弁当をもらうようになる。それまで接点はなく、正反対のような2人だったが、少しずつ少しずつ心の距離も近づいていく。

障害を扱っているが悲劇的に描こうとはせず、ひとくくりに難聴と言っても人によって度合いがさまざまでそれだけに偏見もあることが淡々と描かれ、リアルで真摯な目線が好感持てる。

2人の間柄は友だち以上、恋人未満のような関係でもどかしくじれったいが、どっぷり腐女子でなくてBL初心者でもすんなり入っていけるぐらいBL要素が軽い点も本作を広くオススメできるいいところ。それに、もどかしくてじれったいからこそ、距離が縮まったときには、その分キュン度も一気に高まるのだ。

中編「少女漫画なら許されない恋愛未満さはBLだからこそ活きる!」に続く

『ひだまりが聴こえる』は6月24日より全国公開される。