訪日外国人が増える中、ホテルや旅館の許容量は追いつかない状況だ。

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 楽天とLIFULLは22日、共同で新会社を設立し、民泊事業への参入することを表明した。新会社を通じ、両社の顧客基盤やネットワークを融合させた宿泊仲介プラットフォームを構築。訪日外国人増加などで宿泊施設が不足するなか、人口減や住宅流通の問題により空き家も増加するというアンバランスな現状を好機として活かせるかが問われる。

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 両社は共同出資会社の完全子会社「楽天LIFULL STAY」において、民泊新法に基づき空き家や空き部屋など遊休資産の活用を進める予定。旅行者に幅広い選択肢を提供する。また資産の活用希望者に対する、民泊施設の準備から運用までを包括支援するサービスも実施される見込みだ。

 楽天は楽天トラベルなど多様なサービスを行い約9,000万人の会員を有すると共に、全国の地方自治体と強力なネットワークを築いている。また不動産情報サイト「ホームズ」を運営するLIFULLは約800万件掲載の不動産・住宅情報サイト、2万2,000を超える不動産加盟店ネットワークをもつ。この強力な地盤を活かし、近年高まる国内外の宿泊需要に応えていく。

 すでに日本では、1年で2,000万人を超える訪日外国人が観光地を賑わしている。これまでに比べ最近の伸び代は非常に大きい。しかし、それにしては宿泊客の増加数が少ないという現実もある。

 観光庁や日本政府観光局の調査では、2016年には訪日外国人が前年比約22%も増えたのに対し、訪日外国人による宿泊施設の利用客は約9%増にとどまっている。その背景には、ホテル・旅館の利用料金や許容量などの問題と、ホテル等以外の利用増加があるとみられる。

 ホテルや旅館は許容限界を迎えつつあり、稼働率は8〜9割に上昇。需要に追い付くためにラブホテルの改装がされるほどだ。部屋の広さ、料金といった点で旅行者に不満を抱かせるケースもあるなど、ニーズに完全に応えているとは言い難い。

 一方、利用が増えているのは夜行バスやクルーズ船での船中泊などで、空港で寝泊まりするケースもある。民泊の利用者も非常に多い。それに伴い、民泊においては違法営業や近隣とのトラブルが目立ち、課題が浮き彫りになっていた。だが新法成立でこの状況にも変化の兆しが見えた。今後、楽天とLIFULLの手腕が試される。