最近、海外の若者がエナジードリンクなどの飲み過ぎで、急性カフェイン中毒により死亡した例がニュースでも取り上げられていますね。日本でも20代の男性が亡くなっており、コーヒーや紅茶、エナジードリンクが好きな人にとっては怖い話です。急性カフェイン中毒とはどんな時にどのような症状が出るのでしょうか?

カフェイン中毒とは

慢性的にカフェインに依存してしまうカフェイン中毒と、急性期の中毒症状が現れる急性カフェイン中毒に分けられます。今回は命の危険もある急性カフェイン中毒についてご紹介します。一般的な成人の場合、1時間以内に6.5mg/kg以上のカフェインを摂取した場合の約半数、3時間以内に17mg/kg以上のカフェインを摂取した場合はほぼ確実に、急性の中毒症状が発症するといわれています。

体重で換算すると、50kgの人が1時間に325mg、3時間に850mg以上のカフェインを摂取した場合に急性中毒の症状を発症する可能性が極めて高くなるということ。カフェイン量の目安としては、ドリップコーヒーカップ1杯だと約180mg、1時間に2杯以上飲むと急性症状を発症する危険があります。好きな人なら意外と飲めてしまう量ですよね。エナジードリンクだと473ml缶で160mg前後、250ml缶で80mgです。

大量に摂取しなくても中毒は起こる

急性カフェイン中毒が起こる量や致死量には個人差があり、年齢やカフェインを分解する酵素の活量でも違ってきます。お酒に弱い人がアルコールを分解できずに急性アルコール中毒になる原理と同じで、カフェインにも過敏症の人がいます。普段コーヒーや紅茶を飲むと気持ち悪くなる人は、カフェインの分解が苦手かもしれません。その場合、急性カフェイン中毒になるカフェイン量は少量の場合もあるのです。いつもコーヒーを飲む習慣がある人でも、実は分解酵素が多くないこともあります。ちょっとした頭痛やむかつきなど、カフェイン中毒の症状だとは知らずに暮らしているのかもしれないのです。

カフェイン摂取で注意したいこと

よく起こりがちなのが、学生さんが下校途中にカフェオレやカフェラテを飲み、食後やお風呂上りにもカフェインの入ったものを飲み、試験勉強のためにカフェイン剤やエナジードリンクを飲んだところ急性カフェイン中毒を発症したというもの。ひとつひとつの飲み物のカフェイン量は大量ではないのですが、比較的短時間に様々なカフェインを含む飲み物を摂取することで中毒症状が起こる可能性が高くなります。カフェイン中毒の症状は、心拍数の増加・めまい・興奮・震え・吐き気・頻尿などですが、重症になると歩行困難・幻覚・幻聴・精神錯乱などを引き起こします。

最悪の場合は不整脈や心筋梗塞で死に至ることもあるのです。また、パニック発作を起こす要因にもなるため、カフェイン中毒の症状のほかに強烈な恐怖感や焦燥感・不安感などが起こる可能性もあります。普段からカフェインを含む飲み物を平気で飲んでいても、体調によってはカフェインで中毒症状が起こる場合もあります。気持ちが悪いな、ドキドキするな、と思ったらすぐに飲むのをやめましょう。

カフェインは適量なら疲労の軽減や基礎代謝を高めるといった効果もあります。飲み過ぎないようにしたいものですね。(カフェインを多く含む食品)


writer:しゃけごはん