地方教育費総額の推移

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 文部科学省は6月22日、「平成28年度地方教育費調査(平成27会計年度)」の中間報告を公表。平成27年度に支出された地方教育費総額は、2年連続増加し16兆1,964億円となった。このうち、学校教育費は前年度比0.9%増の13兆6,263億円だった。

 文部科学省は、学校教育、社会教育、生涯学習関連、教育行政のために地方公共団体から支出された経費(決算額)の状況を明らかにするため、地方教育費調査を昭和24会計年度から毎年実施されている。調査の対象は、都道府県・市町村の教育委員会、公立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、特別支援学校、高等学校、中等教育学校、専修学校、各種学校及び高等専門学校(公立大学法人が設置する高等専門学校を除く)。

 平成27年度に支出された地方教育費総額は、16兆1,964億円。前年度より1,018億円(0.6%)増となり、2年連続で増加した。教育分野別にみると、「学校教育費」が前年度比0.9%増の13兆6,263億円、「社会教育費」が前年度比1.0%減の1兆6,141億円、「教育行政費」が前年度比0.2%増の9,560億円。「学校教育費」「教育行政費」は2年連続の増加、「社会教育費」は3年ぶりに減少に転じた。

  学校種類別の学校教育費では、「小学校」6兆867億円、「中学校」3兆4,656億円、「高校(全日制)」2兆5,919億円。今回調査から対象に追加された「幼保連携型認定こども園」は551億円、「幼稚園」2,079億円だった。「幼稚園」は前年度と比べ9.6%減となっており、一定数の幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行したことによるものだという。

 また、在学者1人あたり学校教育費は、小学校で94万7,000円、中学校で108万6,000円、高校(全日制)は119万2,000円。

 学校教育費を支出項目別にみると、「消費的支出」が11兆848億円(前年度比1.5%増)ともっとも多く、このうち人件費が9兆4,166億円を占めた。「学校教育費」の増加については、おもに補助活動費(児童・生徒の就学に対する支援、通学・給食などに関する経費)の増加が原因。小・中学校で通学・給食などに関する経費が増加したこと、公立高校の授業料不徴収制度から就学支援金制度への移行による影響が考えられるという。なお、高校の制度変更に伴い、調査上は形式的に地方の支出が増加したようにみえるが、実質的な負担増ではないとしている。

 一方、建築費、設備・備品費などの「資本的支出」は1兆7,212億円と、4年ぶりに減少した。公立学校施設の耐震化完了目標(平成27年度)を迎え、多くの地域で一定の目処に至ったためとみられる。

 「社会教育費」の減少に関しては、債務償還費(過去の地方債の元利償還等に要する経費)の大幅な減少が大きな要因。平成5年度をピークとする大規模な土地・建築費支出に伴う債務の償還時期が終了しつつあることに起因すると考えられるという。

 「平成28年度地方教育費調査(平成27会計年度)」は政府統計の総合窓口「e-Stat」に公開されているほか、文部科学省Webサイトにて調査結果の概要などを閲覧できる。 《リセマム 黄金崎綾乃》