中国で大流行、規制も掛かった「爪楊枝ボウガン」はこんなアイテム。日本のAmazonにも登場(世永玲生)
「世界の工場」と呼ばれてはや15年、その地位を確固たるものとしている中国。昨今は電子工作やいわゆるメイカーズムーブメントを経て、趣味アイテムの流行発信基地的な側面も強くしています。例えば昨今では、ハンドスピナーの大ブームを牽引した事も記憶に新しいところ。

そんな中国で、小学生の間で大流行しているのが「爪楊枝ボウガン」と呼ばれる玩具。といっても、言葉から想像するものよりも威力が高く、既に成都市などで規制が始まっていると報道されています。日本でも入手が可能になってきたこともあるため、危険度を伝える意味を含めてお伝えします。



この「爪楊枝ボウガン」は金属や木で造られたミニチュアのボウガン。素材や威力は製品によって異なりますが、強力なものは爪楊枝を発射しても果物や野菜に突き刺さる程度の威力があります。

さらに強力なものになると、金属製の針を飛ばすことできるほどの威力を持っており、かなり危険なものとなります。

アルミ缶に穴を開ける威力の製品も


まずは、下記の動画を御覧ください。これは現地で販売されている、金属の針を撃てるタイプの製品を検証するもの。アルミ缶に穴を開ける威力があることがわかります。




これらが日本円にして100円前後で販売されていることで、中国の子どもたちを中心に急速に大ブームとなっているわけです。

品切れか規制か。Alibabaでも削除相次ぐ



上記に紹介したのは、AlibabaやAliExpressで「Mini toothpick crossbow」という名称で販売されていた製品の一端。現地の通販サイトではこれらを含めて様々な種類が売られていたのですが、現在では双方共に取扱がありません。

成都のみならず四川でも規制がされていることから、中国全土に取扱の自粛が広まっているのか、または急激に話題になったことで売り切れになったと考えられます。


一方で、諸葛亮孔明が発明した事で知られる「諸葛弩」のミニチュアとして販売されているものは、今でも購入可能です。こちらも爪楊枝を発射する事が可能です。

この「諸葛弩」は連続で弓を打つことが出来る弩。
余談ですが諸葛家は、これ以外にも黄夫人が発明した「木牛流馬」というロック機能付きのネコ車や、自動製麺をするからくり人形等の発明一家として知られ、肉まんを発明したのも諸葛亮だという伝説が残っているほど。

更に余談ですが、日本では「弩(ど)」を「いしゆみ」とも読みますが、「ど」と「いしゆみ」、両者は別物です。いしゆみは弓の様な機構で石を飛ばす武器、または網の中に入れた石を落下させる仕掛けの兵器。また「ボウガン」という言葉も和製英語で、世界では「クロスボウ」と呼ばれているため、もし海外の人と会話する際には要注意です。

日本のAmazonにも登場、ホビー売上ランキング1位に



さて、この爪楊枝ボウガンですが、日本でも販売する業者が表れています。ニュースで話題になったためか、一時期はAmazonのホビー部門の1位と2位にもなっていました。

他の製品のページも全て売り切れとなっており、ハンドスピナーの時の様に、現地で仕入れた業者が今後乱立する予感もします。

しかし、これらは上述したように、爪楊枝といえども危険なアイテム。
絶対に人や動物に向けて発射したり、狙うといった行為は避け、また発射する場所では、周囲の安全に十分配慮し、人や車が射程内を横切るような場所を避ける必要があります。

DIY動画の注目度も上昇



実はミニチュアのボウガン制作は、YouTubeにおいてはミニチュアの投石機と並び、DIY関連では一大カテゴリとして知られているものでした。
『ベルセルク』そのものの、手に装着し連続で弓を発射する装置を自作する人までいます。
昨今は「買えないなら作ってしまおう」というわけではないですが、ニュースの話題が増えるにつれ、これらの人気も高まっているようです。

こうした趣味性の強いアイテムに目をつけ、いち早く商品化するという「フットワークの軽さ」は、中国の業者の強さを感じます。

過去を見れば、ハンドスピナーのように、電子タバコ『Vape』の 愛好者や、ものづくり系の人たちの趣味から始まったアイテムを量産品レベルに落とし込み、大ブームにしたという経緯もありました。

今回のミニチュアボウガンは危険度の高いアイテムでもあるためブームになるかは未知数ですが、こうした「趣味アイテムの情報発信基地」的な中国の側面は今後も続いていきそうです。