北朝鮮外務省は22日、トランプ米大統領が対キューバ政策の見直しを表明したことを受けて、「キューバの内部に不安定を生じさせ、キューバに対する封鎖をいっそう強めてこの国に樹立された社会主義制度を崩そうとするもの」だと非難する報道官声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

トランプ氏は16日、米国民のキューバ渡航規定の厳格化と、キューバ軍などが管理する企業との取引制限を柱とする新たな対キューバ政策を発表した。オバマ前政権が進めた制裁緩和策を転換した。

声明は、「1994年のクリントン政権時代に締結された朝米基本合意文をブッシュ政権がひっくり返し、オバマ執権時代に批准したパリ協定をトランプ行政府がまたひっくり返した」と指摘しながら、「米国は気にさわる全てを踏みにじる」と非難。

続いて「現情勢は、自主性を志向する全ての国の人民が米国の強権と専横を粉砕して真の国際的正義を実現するために団結と連帯をいっそう強化していくことを切実に求めている」などと主張している。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮外務省の代弁人 トランプ行政府の新しい対キューバ政策を糾弾

【平壌6月22日発朝鮮中央通信】先日、キューバ革命政府はトランプ行政府がキューバの内部転覆と経済封鎖を追求する新しい対キューバ政策を宣布したことに関連して、それを糾弾する声明を発表した。

朝鮮外務省のスポークスマンは22日に発表した談話で、米国の新しい対キューバ政策は本質上、「アメリカ式民主主義と自由」「人権」保障の看板の下でキューバの内部に不安定を生じさせ、キューバに対する封鎖をいっそう強めてこの国に樹立された社会主義制度を崩してみようとする本性をさらけ出したものであると糾弾した。

スポークスマンは、トランプ行政府がオバマ時代に締結されたすべての「誤った」協定を破棄したのは別に驚くべきことではないとし、次のように強調した。

米国の歴代執権者は自主的で、進歩的な国々を転覆し、米国主導の「世界秩序」を立てるために手段と方法の限りを尽くしてきたし、国際的合意と公約もはばかることなくひっくり返したりした。

1994年のクリントン執権時代に締結された朝米基本合意文をブッシュ政権がひっくり返し、オバマ執権時代に批准したパリ協定をトランプ行政府がまたひっくり返したのはその代表的実例である。

自主的で反米的な国々を政治的・経済的・軍事的・外交的に孤立、封鎖して転覆し、米国の気にさわる全てのものを踏みにじってしまおうと後先もわきまえずにのさばるのは、米国固有の帝国主義的特性である。

現情勢は、自主性を志向する全ての国の人民が米国の強権と専横を粉砕して真の国際的正義を実現するために団結と連帯をいっそう強化していくことを切実に求めている。

われわれは今後も、反帝・自主、社会主義を目指すキューバの党と政府、人民の闘争に全面的な支持、声援を送り、いつも彼らと共にいるであろう。---