iPhone8が他ベンダーのスマートフォンに影響を与えるのは、デザインばかりではありません。iPhone8の登場によって膨大な部品が調達ため、スマートフォン向けのDRAMやNANDチップなどが市場で枯渇傾向にあります。

搭載するチップを変更しなければいけないメーカーも

Reutersによると現在、複数のスマートフォンメーカーがメモリーメーカーに対し、「プレミアムを払ってまで長期契約で部品を確保している」状況にあるのだそうです。この理由とされるのが、Appleによる“特需”です。
 
匿名を希望する関係者は「とりわけNAND市場では、売り上げ量の多いiPhoneは、需要に対する重要な源泉を保持している。さらにiPhoneはこのところ、ストレージの容量を増大する傾向にある」と語ります。NANDチップについては、年間に市場へ供給されるうち、18%をAppleが占めているとされています。
 
大まかに言えば、DRAMチップはデバイスが複数のタスクを一度にこなすために、NANDチップは長期データの保存に必要ですが、市場の需給バランスが不均衡であることが原因で、メーカーによっては、仮に調達できない場合、スマートフォンに搭載するチップを減らさざるをえない状況に陥っているそうです。
 
以前からこうした傾向はみられ、HuaweiのP10は規格の異なるストレージメモリーが混在していたことが発覚し、同社のリチャード・ユー最高経営責任者(CEO)が「サプライチェーンにおけるフラッシュメモリの深刻な枯渇が原因」と釈明する事態にまで発展しました。

iPhone8でスーパーサイクルに突入するApple

iPhone8が発売されることによって、今年はiPhoneの需要が「スーパーサイクル」に突入すると言われています。
 
2016年にiPhone7シリーズは8,230万台出荷されましたが、2017年のiPhone8シリーズは1億台の大台に到達するのでは、とみるアナリストもいます。もし、Appleが通常よりも、容量の大きなモデルを中心として生産台数を増やすことになれば、他のメーカーが更なる影響を受けることは必至です。
 
「iPhone8の登場について、顧客や供給業者からは、配送時間が遅延することや在庫の枯渇が起きる理由として言及されている」と語るのは、Fusion Worldwideのトビー・ガナーマン副社長です。「この数カ月、緩衝在庫を抑えるなどして、配送の妨げに備えようとする動きが一般的になりつつある」
 
もちろんチップメーカー側も、ここ数年は供給の確保に動いてきました。例えば、Samsungは年後半に140億ドル(約1兆5,400億円)をかけたNANDチップの生産工場を稼働させますし、SK Hynixも新たなハイエンドNANDチップを次の数カ月で市場に投入する予定です。
 
 
Source:Reuters
(kihachi)