シニア向けスマホがシニアに全く売れてない件。シニアはiPhoneが46%、Android首位Xperia〜MMD研調べ
MMD研究所が実施したシニア向けスマートフォン調査で、シニア向けスマートフォンがシニア世代に広がっていないことがわかりました。

調査の結果、2015〜2017年の3年間でフィーチャーフォンの利用者は20ポイント弱減少し、反対にシニアのスマートフォン利用者は25.9% 46.8%と大きく増えました。シニア向けフィーチャーフォンの利用者は微減です。

といったように数字は、すでに普及期に入ってしばらく経っているスマートフォン市場を裏付けるものになっています。しかしその一方でシニア向けスマートフォンについては、2015年から2016年にかけて微増しているものの、2017年は一転、2015年の割合を下回りわずか1.4%に留まっています。



ちなみに、シニア向けをうたう、もしくはうたわないまでもシニア世代をターゲットとしているスマートフォンとしては、2017年2月のらくらくスマートフォン4(ドコモ)、2016年冬のURBANO V03(au)、シンプルスマホ3(ソフトバンク)といったキャリア向けモデルがあります。SIMフリー端末では富士通製のARROWS M01もそういったモデルでしょう。



こうしたモデルをキャリアやメーカーが投入する背景には、シニア世代にフィーチャーフォンからスマートフォンへの乗り換えや買い換えを促す意味がありそうですが、シニア世代が選択したスマートフォンはシニア向けスマホではなかったようです。

今回の調査でスマートフォンを利用していたのが723人。このうちiPhoneユーザーが329人、Androidが394人となりました。メーカー別に見るとアップルだけで46%となっています。Androidユーザーで見ると、シニア向けをうたっていないXperiaが首位となり、使い心地などをアピールしているシャープのAQUOSがそれに続く結果となっています。





シニア向けスマホが低調な理由をどう考えるかはさまざまな議論がありそうです。過渡期のモデルですでに役割を果たした、OS自体がシニアでも使いやすくなった、価格面など含めシニア向けモデルを買いにくい、などなどパッと想像できることでもいろいろ出てくるはず。ただ、少なくとも現状のモデルがシニア世代に響いていないのは今回調査で明らかでしょう。

ちなみに総務省統計局によると、2017年6月時点の日本の総人口は1億2千674万人。このうち、60歳以上の割合は33.8%で、20〜59歳の男女が49.0%、19歳以下が17.1%となり、人口にしめるシニア世代の割合は高いと言えます。



今回の調査は60〜79歳の男女を対象に、6月6日〜10日に事前調査を実施し、4244人から回答を得たもの。本調査は6月9日〜12日に実施され、スマートフォンを所有する60〜79歳の男女723人から回答を得た結果です。いずれもネット調査。