フード部門の強化狙うスターバックス、「健康的」なメニュー拡充へ

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米コーヒーチェーン大手のスターバックスは現在のところ、やや困難な状況に直面している。アプリ経由で注文ができる「モバイルオーダー&ペイ」の導入が店舗の混雑と対応の不備につながり、今年第2四半期(1〜3月期)決算では、既存店売上高が前年同期比で伸び悩む結果となった。

ただ、同社はこの問題はすでに解消しているとして、今後については楽観的な見方を示している。第3四半期以降の前年同期比での売上高には、改善が見られるはずだという(アナリストの間には、否定的な見解もある)。

スターバックスは、フード販売事業を2021年までに現在の倍の規模にまで拡大することなどを掲げた成長目標の達成に向け、事業計画を推進している。その取り組みの柱となっているのは、包装済みの形で販売する「グラブ・アンド・ゴー」のサンドイッチやサラダをはじめとする「メルカート」(イタリア語でマーケットの意味)と名付けたランチメニューのシリーズだ。

そして、同社は6月上旬からこのシリーズに加え、すでに提携を決めていたグラブ・アンド・ゴーを専門に扱う米スナップキッチン(Snap Kitchen)の商品の販売を開始した。対象店舗はテキサス州ヒューストン市内の5店舗。今後はその他の地域にも拡大していく予定だ。

「健康的」がキーワード

新たにスナップキッチンのメニューを提供することで、スターバックスはより健康的な食材を使った食事を好む消費者層に対応することが可能になる。これは、目標達成に向けた同社の努力を後押しすることになるだろう。

スナップキッチンは2010年に創業。グラブ・アンド・ゴーの形態で軽食を販売するチェーン店を展開している。スターバックスは自社開発の食品の販売を通じて売り上げを伸ばしたい考えだが、健康的なメニューで知られる既存チェーンとの提携は、現時点では規模の拡大に苦労している同分野で、強固な足場を築くことに役立つはずだ。

スターバックスは、朝食ではマクドナルドやタコベルなど、競合各社との厳しい競争に直面している。また、ルクセンブルクの投資ファンドJABホールディングが買収したベーカリーカフェ・チェーンの米パネラブレッドもまた、強力なライバルだ。

新鮮な食品を使ったメニューの提供という点で、スナップキッチンとの提携は競合との差別化を実現するものとなる。食事にそうした選択肢を望むミレニアル世代の消費者の多くを獲得できる可能性がある。

調査会社トレフィス(Trefis)の推計によれば、スターバックス直営店の客単価は今年、飲料のみの場合で平均6ドル(約666円)になると見込まれている。一方、食品・コーヒー豆・その他商品の購入では、約2.25ドル(約250円)と予想され、この金額は2023年まで上昇を続けると見られている。飲料に比べれば低い金額だが、同社が消費者の関心を引くメニューを提供すれば、食品分野での販売を拡大できる大きなチャンスがあることを意味している。

健康的な食品にこだわるスナップキッチンとの提携は、スターバックスにとって有益なものとなり得るだろう。新たなメニューが人気を得れば、向こう数年内にも目標を達成できるかもしれない。