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見た目の若さを左右する顔のたるみやシワ、シミなどの治療法は年々進歩している。レーザーや注入剤、糸などを用いた「メスを使わない施術」が増えて選択肢も広がってきた。それならば治療を受けたいと希望する患者も増えている。

2017年6月2日に開かれた第17回日本抗加齢医学会総会のシンポジウムでも美容医療が取り上げられ、多くの医師や専門家が参加した。

たるみ解消には手術か糸か

最初に顔のたるみを解消するフェイスリフト手術を1970年代から現在に至るまで行い、東洋人に合った治療法を研究し続けてきた白壁征夫サフォクリニック院長が講演した。

手術には、メスで顔の皮膚を切開し皮下組織を引き上げる方法と、リフトアップ作用のある特殊な糸を皮下に注入して引き上げる「スレッドリフト」があり、一般的にメスの効果を100%とすると、スレッドリフトは25%と言われている。「メスを用いた手術は顔を『面』で引き上げ、一方のスレッドリフトは『点』で引き上げるイメージです」(白壁氏)

白壁氏は、長年臨床研究を続けた結果、現在は出血量や腫れが少ない手術法をとっているとした。「顔全体をしっかりとリフトアップするには手術を、その後のメンテナンス用には吸収性の糸を用いたスレッドリフトがよいと考えています」

シワやフェイスラインへの注入治療

次はシワ治療。最近注目されているのは、自分の血液から血小板を濃縮して強制的に内包する多量の自己サイトカイン(細胞増殖因子)を回収する。これを目的の真皮下層や皮下に注入し、細胞を活性化させる自己多血小板血漿(PRP)療法だ。

再生医療等安全性確保法の対象となっていて、厚生労働省への申請や届出をしている医療機関でのみ受けられる。PRPを治療に取り入れている関西医科大学形成外科学講座の楠本健司教授は、「皮膚のハリアップや小ジワや中ジワの解消に有効です。ホウレイ線などの大きくへこんだシワ(陥凹ジワ)にはPRPに自分の吸引した脂肪を混ぜて皮下注入し治療します」と説明。また、PRPは育毛や増毛にも効果があるとして治療例を紹介した。

顔をふっくらとの若く見せるために、ヒアルロン酸製剤を皮下に注入する治療法もある。98年から治療をしてきた渋谷イースト・クリニックの平井隆院長は、骨や脂肪などの軟部組織、皮膚などの老化要因別にそれぞれマッチした治療法を講演した。

シミの治療はスキンケアから

最後に美容医療の悩みで最も多いシミ治療について、湘南鎌倉総合病院形成外科美容外科の山下理絵部長が講演した。1日で150〜250人の患者を診るという山下氏は、過去7年間のレーザー治療のうち、シミやホクロを取る自費診療が3割で、そのうち患者の9割は女性だったことから、今後も女性を中心にした治療法を考えたいとした。

「一言でシミと言っても種類はさまざまで、一番重要なのは診断です。患者が10人いれば10通りの治療法があります。レーザーや光など美容医療に用いる機器にも各種タイプがあり、患者の状態や希望に合ったものを正しく選択することも大切です」(山下氏)

レーザー治療の前には約2か月間、UVケアやごしごし洗わない洗顔法などのスキンケアを実施し、内服薬治療も行う。すると、それだけでシミが改善してレーザー治療まで至らないケースもあるという。

山下氏は同日行われたランチョンセミナーでも講演し、「スキンケアはアンチエイジングの基本」だと強調した。

「シミやシワ、たるみなどの原因は紫外線による光老化です。紫外線を防ぐ毎日のUVケアとして、日焼け止めや『飲む日焼け止め』とも呼ばれる内服薬を利用するのもいいでしょう。また、最近では近赤外線による肌への影響も懸念されています。紫外線とともに対策していく必要があります」

第17回日本抗加齢医学会総会
シンポジウム1「容貌・皮膚の若返り」
※敬称略
座長:
大慈弥裕之(福岡大学医学部形成外科学)
吉村浩太郎(自治医科大学形成外科)
演者:
「糸による若返り対手術による若返り」白壁征夫(サフォクリニック)
「自己多血小板血漿(PRP)療法による若返り」楠本健司(関西医科大学形成外科学講座)
「充填剤で若返り」平井隆(医療法人社団建美会渋谷イースト・クリニック)
「レーザー・光治療による若返り」山下理絵(湘南鎌倉総合病院形成外科美容外科)

ランチョンセミナー1
「美容医学でのアンチエイジングUpdate―内から外から、若さを保つには」
演者:山下理絵(湘南鎌倉総合病院形成外科美容外科)

医師・専門家が監修「Aging Style」