北朝鮮に17ヶ月間抑留され、解放後に帰国したものの死亡した米大学生、オットー・ワームビア氏。治療にあたった医療関係者は、北朝鮮当局が主張するボツリヌス中毒の痕跡は見られず、脳組織が損傷しているとし、ワームビア氏が北朝鮮で拷問などの物理的な暴力を受けていた可能性が指摘されている。

しかし、ワームビア氏の遺族は遺体の解剖を拒否した。

米AP通信などによると、オハイオ州ハミルトン郡検視官事務所は20日(現地時間)に出した声明で、遺族からの要請で司法解剖は行わず、遺体の状態と医療記録の分析を用いた検案のみを行うと明らかにした。家族が解剖に反対した理由については明らかにされていない。

検視官事務所は、20日または21日に予備調査の結果を公表する予定だったが、解剖の中止により延期となった。新たな日程は示されていない。

解剖が行われないことで、死因の究明が進まない可能性が出てきた。一方で、専門家らは解剖を行っても、死因が確実に究明できるかは未知数だとしている。

ジョージ・ワシントン大学の法医学を専門とするビクター・ウィードン教授は、米ワシントン・ポストとのインタビューで、解剖は死因究明のヒントにはなるが、根本的な死因を突き止められない可能性もあると述べた。

また、ミシガン州のウェイン州立大学で病理学を教えるワーナー・スピッツ教授も、ワームビア氏が長期間昏睡状態にあり、証拠が消えているだろうとして「(解剖)は無駄な努力だ」と述べた。

さらに、神経学の専門家は、ワームビア氏の死因について、薬物のオーバードーズ、または首締め、拷問により発生したアレルギーの可能性があると指摘した。