12月全米公開のP・T・アンダーソン
監督作が最後の作品に Photo by Kevin Mazur/Getty Images

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 アカデミー賞主演男優賞を3度受賞という快挙を成し遂げた名優ダニエル・デイ=ルイスが、俳優業から突然の引退を表明し、ハリウッドに激震が走った。米バラエティが独占で報じた。

 約40年にわたるキャリアを通し大統領から小説家、ギャング団のボスまで幅広い役どころをスクリーンで演じてきたデイ=ルイスは、現在60歳。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)以来10年ぶりにポール・トーマス・アンダーソン監督とタッグを組んだ「Phantom Thread(仮題)」(12月25日全米公開)が、俳優として最後の仕事になるという。

 デイ=ルイスは代理人を通じ、「ダニエル・デイ=ルイスは今後、俳優としての活動はしません。これまで共に仕事をしてきた人々ならびに観客の皆さんに、心から感謝しております。これはあくまで個人としての決断であり、本人も代理人も、本件に関してこれ以上コメントすることはありません」という声明を発表したものの、引退の理由については述べていない。

 「マイ・レフトフット」(89)、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07)、「リンカーン」(12)でオスカーに輝いたデイ=ルイスは、役どころと完璧なまでに同化する究極のメソッド俳優としても有名。「存在の耐えられない軽さ」(87)で地元の医師役を演じるためチェコ語を習得したり、「マイ・レフトフット」では、脳性小児麻痺で身体の自由がきかない主人公を演じるのに何カ月も車椅子で生活したりと、役作りにまつわる驚くべきエピソードにはこと欠かない。

 90年代の終わりには一時俳優業を休業し、イタリア・フィレンツェの靴工房で修行をはじめたが、マーティン・スコセッシ監督に説得され「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02)でスクリーンに復帰した。現在は、妻で女優・映画監督のレベッカ・ミラーと3人の子どもたちと共にアイルランドで暮らしている。