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u-bloxは、V2X向けの無線通信モジュール「VERA-P1」シリーズを発表した。V2XとはVehicle-to-Everythingの意味で、車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)および路車間通信(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)を統合する概念である。

6月13日、スイス・タルウィル(Thalwil)の同社本社で開催された事業説明会では、同社の製品戦略近距離無線部門ディレクター Costas Meimetis氏が、VERA-P1と同社のV2X事業についてプレゼンテーションを行った。

VERA-P1は、IEEE 802.11p規格に準拠した自動車向け無線通信モジュールであり、車車間通信・路車間通信で使用されるWAVE(Wireless Access in Vehicular Environments)、DRSC(Dedicated Short Range Communications)、ETSI ITS G5といった通信規格に完全対応しているという。

通信可能範囲は最大1km(見通し線上)。周波数帯5.9GHz、出力-10〜+23dBm、受信感度-97dBm、データレートは3〜27Mbpsとなっている。モジュールサイズは24.8mm×29.6mm×4.0mm、実装形式は160ピンLCCパッケージを採用している。ホストインタフェースはUSB2.0とSPI、その他のインタフェースとしてGPIOと1PPSを備える。

車載用途のため、耐熱性能が強化されており、温度範囲-40〜+95℃での動作が保証されている。これは車載IC信頼性規格AEC-Q100およびISO16750-4の要求する動作温度範囲に対応するものである。

同社のこれまでのV2X向けモジュール「THEO」と比べると、モジュールサイズは38%小型化された。また、動作温度範囲も-40〜+85℃から-40〜+95℃に拡大した。これらの改良によって、ルーフトップアンテナやサイドミラー、ルームミラーなどへのモジュール搭載によるV2Xの展開が可能になるとする。

車の種類などによって必要とされるチャネル数、アンテナ本数は異なることがあるので、これらの構成が異なる4タイプの製品が用意されている。アンテナ構成が変わっても、モジュールサイズを変えずに同一のプラットフォームで対応できる。

Meimetis氏の説明によると、V2X市場はまずは米国で立ち上がると予測されている。これは、米国運輸省がすべての新車へのDSRC V2Xシステムの搭載義務化を計画しているためで、2022年頃にはほぼすべての新車にV2Xが搭載される見込みだという。

同社では、米国で工場出荷時にV2X搭載済みとなっている乗用車の年間販売台数について、2025年までに7000万台に達し、金額ベースでは250億ドル以上になると予測する。新車での普及とともに、旧型車にV2Xを追加するレトロフィット市場や、DSRC機能を搭載したスマートフォンの採用促進など、アフターマーケットの拡大も期待できる。このため同社では、V2Xについて、今後の成長性が非常に高い市場であるとして注力事業の1つに位置づける。

なお、広義のV2Xには、車車間(V2V)、路車間(V2I)の通信以外にも、歩行者を画像認識して自動的に事故回避行動を取るといった技術も含まれると考えられる。このような車と人(あるいは動物など)の間のV2Xについて、Meimetis氏は「非常に興味深い分野だが、まだ具体的な製品開発の段階にはない」と話し、今後の課題であるとした。