6月4〜10日は「歯の衛生週間」だった。少々遅いがお口の健康に関するクイズを。

 以下の項目から、歯周病と関係があるものをあげよ──(1)2型糖尿病、(2)動脈硬化、(3)早産。

 (1)については、昨年4月に東京大学公衆衛生学の調査結果が報告されている。

 同調査は、ある企業の協力を得て、健康な男性従業員2469人(35〜55歳)を対象に行われた。

 参加者は2004年に定期健康診断と歯周病の検査を行い、その後5年間、追跡対象となった。

 追跡期間中に133人が新たに2型糖尿病を発症。歯周病との関連を調べたところ、登録時に歯周病で歯がぐらついていた人は、発症リスクが1.73倍に上昇していた。一方、歯茎から出血する程度の軽度の歯周病との関連性は認められなかった。

 この調査からわかるのは、歯周病は2型糖尿病の前触れかもしれない、ということ。血糖値が正常でも歯茎の出血や口臭があれば要注意なのだ。

 (2)に関しては、動脈硬化の進展には歯周病菌による炎症反応が一役かっている、という説がある。引いては心筋梗塞や脳梗塞の原因になるというのだ。

 当初、米国心臓協会など関連学会は懐疑的な見方を示していた。

 しかし13年に、「歯周の健康が回復し歯周病菌が減少すると、動脈硬化の進行が抑制される」ことが初めて証明されると、空気が少々変化した。現在は歯周病の有無による未病段階の脳・心血管疾患の早期発見と予防に関心が集まっている。

 さて、(3)の早産との関連を知る人は少ないだろう。

 国内外の研究報告で、歯周病の妊婦は早産リスクが一般より7〜8倍も高いことが知られている。

 歯茎から放出される炎症物質が胎盤や子宮に影響するほか、歯周病菌が妊婦の血液を介して胎盤に直接、感染するためだ。

 残念ながら、妊娠中に歯周病の治療をすることで、早産リスクを減らせるかは明らかではない。

 将来の妊娠・出産を希望する女性は人一倍、お口の健康に注意をしてほしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)