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数年後のインテリアトレンドが分かる「ミラノサローネ」。ここではプロ視点で見つけてきたアイテムを眺めて、マイルームのコーディネートやトレンドを先取りしたい。

What’s ミラノサローネ?

1961年、イタリア家具やインテリア小物の輸出を促進するために誕生。見本市は巨大な本会場以外に、市内の至るところで“フォーリサローネ(サローネの外)”としてインテリアの自主展示が行われる。100万人規模の人々で賑わう世界一のデザインインテリアの祭典。



【最先端家電を見つけてきたのはこの人】

山根康宏/香港在住の携帯電話研究家。世界の通信事情に詳しく、年の半分以上を海外取材に費やす。人と人を繋ぐコミュニケーションツールであるスマートフォン事情にも造詣が深い。

デジタルが存在を消してインテリアに寄り添う



ミラノサローネには優れたデザインの製品が集まるだけではなく、デジタルとの融合を図った新世代のIoT家電などの出展が大きく目立った。それらはテクノロジーの進化を単に追求したものではなく、人間が使う道具としての快適性や使い勝手を第一に考えて設計されたものばかりだった。すでに身の回りに様々なデジタル製品があふれかえっている環境の中で、安らぎやゆとりの空間を与えてくれる自然への回帰とも言える動きも目立っていた。例えば、1日のほとんどの時間を過ごすオフィス空間は仕事の効率性を高めることだけではなく、生活空間としての居住性の質の向上も求められている。ライティングや自然素材を使ったテーブルとIT製品の調和は、今年のミラノサローネでの大きなトレンドの一つであった。



▲LGディスプレイの有機ELフレキシブルライトは板状で自由に曲げることができる。



▲自由なデザインの明かりを作れるPIX LUM。LEDライトを積層基盤内蔵の壁や天井に刺してレイアウトする。



▲デザインデスクD TableのPCを内蔵。天板はマルチタッチディスプレイで複数ソフトを指先で自在に操作可能。



▲Oolfexは高級感あふれる本革製会議机に収納式のPCディスプレイを内蔵している。

また、室内に必要な生活家電そのものをインテリアにしてしまう製品も増えている。壁掛けテレビは絵画のフレームになり、スピーカーや照明はそれそのものが美しいデザインであるだけではなく、手で触れることなく操作できるなど、家電製品であることを意識せずに使うことができるのだ。



▲まるで絵画のように見えるサムスンのThe Flameは壁掛けテレビ。電源オフの時もインテリアになる。



▲デザイナーの吉岡徳仁氏とコラボレーションしたLGの光のインスタレーション。ディスプレイそのものが表現力を持つ。



▲Digital Habitsの壁掛けスピーカーは手のひらをかざすだけで音楽再生コントロールもできる。



▲同社の円筒状の照明も円周に手をかざして動かし光量を調整できる。



▲コーヒーメーカーにスワロフスキークリスタルをあしらったAquanovaは上質な生活空間を演出。



▲室内のどこでも手軽に植物を育てられるPlantuiのデスクトップガーデンは部屋の中にオアシス的な空間を作り上げることができる。

最新のデジタル製品も水中用のドローンや音声操作可能な照明など、遊びや生活をより楽しく快適にしてくれる製品が出展。モノを使う人間の存在こそが、新し技術や製品を生み出す原動力になっているのである。



▲香港理工大学が考えるドローンは空ではなく水中を飛ぶように動く。本体は水や魚をイメージしたカラー。



▲ミニマリズムを追求した携帯電話などを手掛けるPunkt.と大学生のデザイナーがコラボした都市用自転車。利用を想定する都市が求める最小限の機能を搭載する。



▲iPhoneアクセサリなどを開発する日本のNuAnsのワークデスク。側面は金属素材でマグネットの張り付いたフックを自由な位置に取り付けられる。



▲室内の家電や照明は音声でコントロールできる時代だ。フィリップスのLEDライトHueはアップルやグーグル、アマゾンの音声コントロールで動作する。



▲バング&オルフセンもステレオなどの音響製品だけではなく家電も操作できるコントローラーを提供。自然のぬくもりを感じられる、コルクを貼り付けたリモコンで照明などを操作できる。

【ランプで発電するBluetoothワイヤレススピーカー】

片側にアルコールランプを内蔵したコーヒーメーカーのように見えるこのアイテムはPELTYのスピーカー。ランプの火を使ってスピーカー用の電力を発電する。Bluetoothを内蔵しスマートフォンとはワイヤレスで接続。デジタル製品で音楽を聞くたびに火を灯すというアナログ感覚が、心に安らぎを与えてくれる。



文/山根康宏

※『デジモノステーション』2017年7月号より抜粋