マドリッド・オープンの大会責任者、ティリアクがWTAに怒り

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「マドリッド・オープン」の大会責任者であるイオン・ティリアク(ルーマニア)が、同胞で友人のイリー・ナスターゼ(ルーマニア)に対するWTAの仕打ちに怒りを感じているため、もはや自分の大会でトロフィー(の複製)を授与しない、と発言した。

 WTAの最高経営責任者であるスティーブ・サイモンに向けた公開レターの中で、ティリアクはWTAによる「(ナスターゼに対する)アグレッシブな公開コメント」に続き、女子の大会の優勝者には、もはや金とダイアモンド、銀による優勝杯の複製品を与えないことを決めた、と言った。

 5月、ティリアク、ナスターゼ同様ルーマニア人の選手、シモナ・ハレプがマドリッド・オープンで優勝し、ナスターゼは表彰式の際にハレプとともに写真に納まった。それは、ルーマニアのフェドカップ監督だったナスターゼが、対戦国のイギリス・チームに対して暴言を吐いたことを理由に、フェド杯からの追放を言い渡された3週間後のことだった。

 サイモンが、マドリッドの表彰式にナスターゼが出席したことについて「無責任かつ受け入れ難きこと」と表現したあと、ティリアクは、WTAはナスターゼに謝罪すべきであるとコメントしていた。

 70歳のナスターゼは、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のこれから生まれてくる子供の肌の色に関する発言と、ルーマニアでのフェド杯ワールドグループ2「ルーマニア対イギリス」戦で起きた暴言事件のあと、国際テニス連盟(ITF)から暫定的な活動停止処分を言い渡されている。セレナは、自分に対するナスターゼのコメントを人種差別的なものととらえ、またフェド杯での選手への暴言を性的差別的なものと呼んだ。

 ハレプもフェド杯中のナスターゼの発言は間違ったものだったと言っていた。

 ナスターゼはのちにフェイスブック上の声明文で、セレナについての自分のコメントは、考えなしに無意識に出たものであるとして謝罪し、イギリス・チームに対する発言については、弁明や言い訳をしなかった。ITFは、この一件について現在調査中だ。

 78歳のティリアクはまた、ITF会長のデビッド・ハガティに「公平かつ合法に」対処するよう、またフェド杯でのナスターゼのふるまいへの徹底調査の公聴会を許すよう呼びかけた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「マドリッド・オープン」の大会責任者であるイオン・ティリアク(ルーマニア/左)は、同胞の友人であるイリー・ナスターゼ(右)に対するWTAの対応に怒りを感じている。(写真◎Getty Images/写真は5月の全仏オープンでのもの)
Photo: PARIS, FRANCE - MAY 25: (L-R) Formers Tennis players Ion Tiriac and Ilie Nastase attend the 2016 French Tennis Open - Day Four at Roland Garros on May 25, 2016 in Paris, France. (Photo by Rindoff Petroff/Hekimian/Getty Images)