ミラノファッションウィークで発表された「ドルチェ&ガッバーナ」のランウェイを歩く英国人モデルのデビッド・ギャンディ(2008年6月21日撮影)(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】男女の給料の格差において、ファッション業界は珍しい例外と言えるだろう。同じ仕事でも、女性モデルは男性モデルより多くの収入を得ている。

 16日までミラノ(Milan)で開催されていたメンズファッションウィークでは、褐色の肌を持つ何十人もの男性モデルがキャットウォークを歩いていた。だが彼らが、女性のトップモデルたちと同等の名声や収入を手にすることは夢でしかない。

 ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)やケイト・モス(Kate Moss)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)といったモデルたちがファッション界だけにとどまらず、一流セレブリティとしてみなされる一方で、米国出身のショーン・オプライ(Sean O'Pry)や英国出身のデビッド・ギャンディ(David Gandy)といった男性モデルらに一般的な知名度はない。

 ギャンディは「女性が男性よりも多くを稼ぎ、より良い待遇を受ける唯一の業界で働く羽目になった」と語る。「撮影でのヒエラルキーはフォトグラファー、女性モデル、スタイリスト、アシスタントたち。そして最下位に男性モデルだ」

 社会におけるファッションを専門とする社会学者、フレデリック・ゴダール(Frederic Godart)はAFPの取材に対し、こう解説する。「メンズとレディースのデザイナーズブランドのマーケットは、それぞれ同額のおよそ300億ドル(約3兆3465億円)の売り上げを出しているが、ファッションが主として女性向けの産業であることに変わりはない」

■ジゼルが稼ぐ何百万ドルものギャラ

「ブランドやファッション雑誌は、より多くの商品の販売促進をする女性美の強みに注目している。結果、女性モデルの価値が上がっていく」とゴダールは語る。世界中のおよそ1000人の若い女性が、トップエンドのモデルとして裕福な暮らしを送っているという。「この世界では、勝者がすべてを得る。女性モデルが大成功をおさめ、男性モデルとの格差をさらに広げる傾向がある」

 アメリカの「フォーブス(Forbes)」誌による2013年の調査では、トップモデルのジゼルは昨年だけで推定4200万ドル(約46億8500万円)を稼いだとされる。それは男性モデルで一番の収入を得ているオプライが稼いだ28倍の額だ。だが、ブラジル人のジゼルはファッション界の例外かもしれない。彼女は15年以上トップに君臨し続け、1つのファッションショーにつき、同胞のアドリアナ・リマ(Adriana Lima)やオーストラリア出身のミランダ・カー(Miranda Kerr)のギャラさえも超え、数万ドルのギャラを要求できるからだ。

「ヒエラルキーの地位が下がれば下がるほど、収入差は狭まる傾向にある」とゴダールは指摘する。「アメリカにおけるモデルの平均年収は、男女にかかわらずたった約3万ドル(約300万円)だ」。この控えめなレベルにでさえ、誰もが到達できるわけではない。多くのモデルは不安定な生活を送り、生活費を稼ぐためにほかの仕事を持たざるを得ない。衣装を支払いの一部として受け取ることを期待する雇用主もいるからだ。

■名声によってギャラが変動

 しかしながらフランス出身の男性モデル、バプティスト・ニコル(Baptiste Nicol)は「世界のトップ100に入れなくても、じゅうぶんな稼ぎを得ることはできる」と主張する。「カタログやショー、テスト撮影など毎月平均15日も働けば企業会社の上級管理職と同じくらいの収入が得られる」。32歳のニコルは故郷を一度も離れることなく、控えめなキャリアを築いていると語る。

 女性モデルとの格差については「もちろんあるが、それは男性同士の間にもあるものだ。男性モデルは30歳から50歳までの間に一番の稼ぎを得るということも考慮しなくてはならない」。ほとんどの女性モデルは、その年齢までに最高収入を得られる時期は過ぎてしまう。

 ミラノの「エリート(Elite)」モデルエージェンシーのディレクターであるローザ・サルリ(Rosa Sarl)は、モデルの給与に対する決まったルールはないと言う。「たとえば身体的なもの以外に、モデルの名声によることもある。もしスターと結婚していたり、有名人の子供だったりすれば、その価値は上がるだろう」
【翻訳編集】AFPBB News