昨年12月31日をもって、28年間に渡る活動に終止符をうったSMAP。解散後も、木村拓哉はドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』、映画『無限の住人』に主演し、草なぎ剛はドラマ『嘘の戦争』で主演を務め、中居正広、稲垣吾郎、香取慎吾もテレビ・ラジオのレギュラー番組に変わらずに出演を続けていた。5人で揃うことはなくとも、これまでと同じように彼らの活躍を観ることができたため、SMAP解散の現実味をあまり感じなかったファンも少なくないだろう。

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 しかし、6月18日にジャニーズ事務所より発表された、稲垣、草なぎ、香取との専属マネジメント契約終了は、“解散”の現実を否応なしに実感させた。SMAPの活動を論じる週刊批評「Map of Smap」(楽天エンタメナビ)を長期連載してきたライターの相田冬二氏は、今回の報道について以下のように語る。

「解散から現在まで、同じジャニーズ事務所に所属している以上、それは解散ではなく“活動停止”のように映る部分がありました。しかし、木村さん以外のラジオタイトルからSMAPの名前が抜け、SMAPに由来するタイトルの番組の放送終了もいくつか伝えられるいま、今回の契約終了で本当の意味での“解散”が遂げられたと言えるかもしれません。逆に言えば、わたしたちはいまようやくハッキリとSMAP解散を受けとめるタイミングを迎えたわけです。メンバーはグループ解散前からSMAPの◯◯というだけではなく、個人としても独立した存在感を放っていました。SMAPという枠から解き放たれた彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、前向きに捉えて楽しみにしたいです」

 役者として数々の作品に主演を果たし、時代を彩ってきた稲垣、香取、草なぎの3名。これからの活動への期待を相田氏は次のように語る。

「これまで以上に様々な役柄に挑戦できることは間違いないと思います。稲垣さんは、映画『十三人の刺客』での暴虐な大名で脇役を演じる自由を本格的に手に入れました。昨年は映画『少女』でのホームヘルパー役、ドラマ『不機嫌な果実』でのマザコン夫役など、主役ではないところでの妙演が光っていたのは多くの人が知るところです。草なぎさんも香取さんも、高倉健主演の『あなたへ』、佐藤浩市主演の『人類資金』でそれぞれ脇役として素晴らしい演技を見せていました。彼らほどのキャリアがあると、製作局や作り手からの必要以上の“忖度”があったせいか、“主演”に縛られてしまう部分もあったように思います。今回の退所は、もう主役に縛られなくてもいい、という可能性を感じます。芸能界のしがらみは私の知るところではありませんが、これまでよりもキャスティングする側にすれば“自由”を感じるはず。個人的には、彼らの才能をサブキャラクターでも発揮してほしいと思います。きっと主役にはない演じがいがあるはずですから」

 また、テレビや映画だけではなく、舞台こそ3人が輝く場になる可能性があると、相田氏は続ける。

「これまでは、『SMAP×SMAP』の収録をはじめとした5人での活動にスケジュールを縛られてしまうところがあったと思います。そのため、長期間スケジュールを拘束される舞台は、なかなか挑戦しづらい部分がありました。香取さんの舞台『オーシャンズ11』をはじめ、草なぎさん、稲垣さんもコンスタントに舞台活動はされていましたが、これまで以上の自由さがプラスされるはず。特に香取さんはSMAPのライブ演出も手がけていただけに、演じ手だけではなく、作り手としての活動もあるのではないでしょうか。一昨年は草なぎさん、香取さんが三谷幸喜作・演出の舞台で共演しています。願わくば、3人の舞台での共演が見てみたいですね。それこそ誰が主役でもない、芸能史を塗り替えるような画期的な作品が誕生するのではないでしょうか」

 ジャニーズ事務所との契約が終了する9月以降、彼らがどんな活動をしていくのか。現時点では不透明なところがあるのは事実だが、相田氏の言うように、彼らにとって新天地が待っている可能性も大いにあるはずだ。(石井達也)