『サッカーダイジェスト』誌のインタビューに応じた鎌田。今年5月に入籍した。写真:徳原隆元

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 一昨年のJデビュー戦でゴールを決めた若き天才は、プロ3年目の今季、鳥栖で不動の地位を確立。鎌田大地は、いまやチームの主軸として風格を漂わせる存在だ。さらにここに来て、ドイツ・ブンデスリーガのフランクフルトへの移籍も取り沙汰され、その動向も注目される。『サッカーダイジェスト』6月22日号(同5日発売)では独占インタビューに応じ、プレーヤーとしての理想像について語っている。
 

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──鎌田選手は、ボールを持てば何かやってくれそうな雰囲気があります。とりわけ仕掛けや崩しの局面でのアイデアが素晴らしいですが、それは瞬間的に浮かんでくるもの? それとも、相手の出方に応じて決めている?
 
「瞬時に閃くことが多いですね。今まで培ってきたものがあって、調子が良い時は自分のイメージ通りに相手が動いて、あっさりとかわせる瞬間があるんです」
 
――そういう選手を俗に「ファンタジスタ」と呼びますが、鎌田選手のファンタジスタ像は?
 
「父によく聞かされていたので、ロベルト・バッジョ(元イタリア代表)のイメージが強いです。と言っても、僕自身はあまりプレーを観たことがないんですけどね」
 
――観客を魅了できる選手ですね。
 
「サッカーは観客がいてなんぼ。勝つことがなによりですけど、サッカーは勝敗以外のところにも面白味がある。観客を沸かせられるというところも大切な要素です」
 
――鎌田選手が小さい頃に憧れていた選手は?
 
「小学生の時はレアル・マドリーのクリスチアーノ・ロナウドが好きで、よくドリブルを真似していました」
 
――お手本にしていた?
 
「いや、それが全然参考にはならないんですよね。元々持っているスピードが違いすぎて。どちらかと言えば足は遅いほうだったので、駆け引きで相手を上回ろうと考えるようになりました。幸い、小学生の時に通っていたキッズFCで技術的なものをたくさん学べて。その時に培ったテクニックやアイデアが今も活きています」
 
――いつ頃からトップ下をやり始めたんですか?
 
「サッカーを始めた時。小学1年生からずっとです」
 
――“生粋の”トップ下ですね。他のポジションを任されたら?
 
「できるとは思います。今季は試合中にサイドハーフを任されることもあって、それはそれでやり甲斐はあるので。でも、自分では爛肇奪弉宍ぜ繊蹐世抜兇犬討い泙后
 
――その理由は?
 
「瞬間的な駆け引きで、『こうしてやろう』と想像を膨らませるのが好きなので。トップ下なら攻撃の起点になるだけじゃなく、ゴールも狙えますしね」
――理想のトップ下像は?
 
「好きなところに動いて自由にプレーができて、しっかりと結果を残せる選手」
 
――理想が100だとしたら、今はどのくらい?
 
「半分の50くらいですね」
 
――足りない半分は?
 
「やはり得点ですね。もっと得意な形に持ち込めるようにならないと。その点で経験不足を感じるので、もっと毎日の積み重ねを大事にしたいです。ただ、自分の理想を追い求めるのは簡単ではありません」
 
――それはなぜ?
 
「今、守備で求められる役割が大きいんです。なにより求められるのは走りと運動量で、僕もボランチと同じように自陣のペナルティエリアまで戻らないといけない。いわば、今の鳥栖にトップ下は存在しない。少なくとも僕はそう考えています。守備に重点を置きつつ、攻撃にも顔を出さないといけないので、オールラウンダーに近いです」
 
――難しそうですね。
 
「本当にそう。トップ下のポジションで、守備も含めオールラウンドにプレーできる選手はなかなかいないですよ。でも、求められる役割をこなしながら、自分の色も出せるようになれば、もう一段階上のステージに上がれる気がするんです」
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWeb)