波に飲み込まれそうになっても写真を撮り続ける女性(画像は『Shannon Glasson Photography 2017年1月14日付Instagram「It's been an insane start to 2017 for me already.」』のスクリーンショット)

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このほどオーストラリアから若干18歳という若さでありながら、実力派写真家として活躍する女性の話題が届いた。彼女の撮影した写真はサーフィンの名所で目にする大波を間近で捉えた迫力のあるものばかりだ。普通の10代少女なら大波に飲まれる恐怖で逃げ出すところだろう。しかし彼女は“恐怖を感じることができない”という病を持っていた。米メディア『New York Post』が伝えている。

豪ニューサウスウェールズ州クロヌラ出身のシャノン・グラッソンさん(Shannon Glasson)は、18歳の女性写真家である。シャノンさんの撮影する写真は主にサーファーが多く訪れるスポットで撮影される。なかでも「シャーク・アイランド」というサーフポイントでは、大きな波がチューブ形状を作り出し人を飲み込む恐怖すら感じられる。

サーフィンのメッカであるオーストラリアには、ブードゥー・リーフ、ケープソランダーといったサーファーに人気のスポットがいくつもある。その中で美しい波の瞬間をシャノンさんは大きな波を恐れず間近まで行き、絶妙なタイミングで迫力ある1枚を撮るのだ。シャノンさんが今までに直面した最大の波は4.5メートルほどの高さだったという。

シャノンさんには波に対する恐怖がまったくない。彼女は約20,000人に1人の割合で発症すると言われる先天性副腎過形成(CAH)という病気をかかえている。

これは腎臓近くにある副腎がホルモンの分泌を正常に行えず、シャノンさんの場合はアドレナリンが生産できないという症状が出ている。それにより彼女は恐怖を感じることができないのだ。

シャノンさんが生まれつき持っている病はCAHだけではなかった。重度の先天性内反足(CTEV)という足全体が内向きで、足首が硬く歩行ができない状態だった。2歳から4歳までの間に度重なる手術を受け、初めは歩くことができず車椅子の生活を余儀なくされた。今では自由に歩くことができるが、7歳まで常にギプスをしていたそうだ。

足が不自由だったシャノンさんは泳ぐことで“自由”を掴んだと言い、「私は2歳で泳ぎを、5歳で歩くことを学びました。海は私にとってかけがえのない場所です」と話している。困難な病気を持ったシャノンさんはそれすらも糧にして他の人が打ち勝てない恐怖をものともせず、波の動きを熟知した泳ぎを習得したのだ。

そして初めてカメラを手にしたのが、14歳の時だった。クイーンズランドにて母親の水中カメラで写真を撮ったのがきっかけだった。写真家としてやっていこうと決心したのは16歳の時。プロの写真家ウォーレン・キーラン、ザック・ノイル、サチ・カニングハムなどに影響され、シャノンさんは師と仰ぐ人達に助けられながら、ほとんど独学でカメラ技術を学んできた。

シャノンさんは生涯にわたり注射を打たなければならず、足には針を刺した後が青く残っている状態だ。また普通の生活を送るために、ステロイドを1日5回服用しなければならない。現在も病と向き合っている彼女だが、21歳の誕生日までにはタスマニアのシッピーズ、タヒチのタウポ、ハワイマウイ島のピアヒ、西オーストラリアの海岸線のサーフスポット、この4か所の波を撮影するという大きな目標を持っている。

今月26日には、クロヌラのイベントハウスでシャノンさんの力作が展示される。またその後にはカリフォルニアでも6週間にわたって展示会を開く予定だ。

病に屈することなく、栄光を掴んだ人は他にもいる。ボスニアでは生まれつき両腕のない6歳少年が、水泳大会でチャンピオンになり大きな話題となった。

画像は『Shannon Glasson Photography 2017年1月14日付Instagram「It's been an insane start to 2017 for me already.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)