ミラン移籍が噂されるハメス(左)とナスリ(右)。加入なら10番継承も。(C)Getty Images

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 本田圭佑が契約満了によって16-17シーズン限りで退団し、新シーズンに向けて空位となっている「ミランの背番号10」。かつてジャンニ・リベーラ、ルート・フリット、デヤン・サビチェビッチ、マヌエル・ルイ・コスタなどの名手が纏った栄光のナンバーを引き継ぐのは、ハメス・ロドリゲスかサミア・ナスリになるかもしれない。
 
 ハメスはワールドクラスの創造性を持ちながら、ここ2シーズンはレアル・マドリーで控え要員に甘んじ、今夏は再び退団が囁かれている。その中でここにきて『アス』や『ドン・バロン』などの現地紙が、ミラン行きの可能性を報道。代理人のジョルジュ・メンデスは、同じく顧客のFWアンドレ・シウバの交渉中(6月12日にポルトからミランへの移籍が決定)に、コロンビア代表MFのことも売り込んだという。
 
 ミランのマルコ・ファッソーネCEOとマッシミリアーノ・ミラベッリSDもこのアイデアに乗り気。たしかに前記したレジェンドたちと同じファンタジスタなうえ、世界的に人気も高く、今年4月に中国資本となったミランの新たな象徴には打ってつけだろう。
 
 ただ、移籍金は最低6000万ユーロ(約72億円)と高額なうえ、マドリーは契約延長拒否で去就が騒がれているGKジャンルイジ・ドンナルンマを交換要員に要求するとも報じられている。さらに、マンチェスター・U、パリSG、バイエルン、チェルシーなど資金力でミランを上回るクラブも狙っているだけに、獲得に向けたハードルは高い。
 一方のナスリは、16-17シーズンにマンチェスター・Cからセビージャにレンタル移籍。清武弘嗣を瞬く間にベンチに追いやり、極上の輝きを放った前半戦と比べれば後半戦はやや失速したものの、随所でテクニックの高さとセンスの良さを見せ付けた。
 
 とはいえ高額年俸のためセビージャは買い取り見送りを決めており、保有元のマンチェスター・Cにも居場所はなさそう。ベジクタシュ、ガラタサライ、中国のクラブなどが関心を寄せていると伝えられてきたが、今週に入ってナスリの母国フランスの『レキップ』紙がミランも獲得に乗り出していると報じた。
 
 2人はヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が16-17シーズンに使った4-3-3ではインサイドハーフと両ウイングで起用でき、システムを4-2-3-1に変えてもっとも得意なトップ下を託す手もある。
 
 いずれにしても、ハメスはコロンビア代表とマドリー、ナスリはセビージャやフランスの年代別代表で10番を背負ってきただけに、ミラン加入となればエースナンバーを纏う可能性が十分にある。今後の動向に要注目だ。