米国人大学生、オットー・ワームビア氏が北朝鮮に1年以上抑留され、解放後すぐに死亡した事件を受けて、北朝鮮旅行を専門に扱う旅行会社の間で、米国人の受け入れを取りやめる動きが広まっている。

ワームビア氏が参加した北朝鮮ツアーを企画した旅行会社、ヤング・パイオニア・ツアーズ(本社=中国・西安)はウェブサイトで、ワームビア氏と家族に哀悼の意を示した上で、北朝鮮側に繰り返し面会、連絡を要求していたが「彼は元気だ」という答えしか得られず、断られ続けていたことを明らかにした。

中国でも問題視

そして「ワームビア氏の悲劇的な死を受けて、米国人観光客の受け入れに関する姿勢を見直す」「米国人の北朝鮮訪問はリスクが高過ぎる」として、今後は米国人向けの北朝鮮ツアーを開催しない方針を示した。

一方で、米国人以外を対象とした北朝鮮ツアーの開催については特に言及しておらず、来年までの実施スケジュールを発表していることから、今後も継続するもようだ。

また、米コネチカット州ハムデンのニュー・コリア・ツアーズもウェブサイトで、自社が開催した北朝鮮ツアーで抑留者が出たり好ましからざる出来事が起きたりはしていないとしつつも、米国人の北朝鮮ツアー受け入れを中止する方針を明らかにした。

さらに、北朝鮮専門旅行会社大手のコリョツアーズやウリ・ツアーズは、米国人の北朝鮮ツアー参加について、北朝鮮側のパートナーと協議し、見直しを進めていると明らかにした。

国際社会の経済制裁で外貨不足に陥っている北朝鮮にとって、観光はドル箱の一つとなっているが、今回の事件で深刻なダメージを受ける可能性がある。

中国中央テレビが20日のメインニュースでワームビア氏の死去を報じるなど、中国の各メディアはこのニュースを繰り返し伝えており、中国人の間で北朝鮮旅行を避けようとする動きが現れるのは時間の問題と思われる。中国人は、北朝鮮を訪れる外国人観光客の8〜9割を占めると言われている。

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