ランス首都パリのシャンゼリゼ通りで、警察車両に突っ込んだ車を運転していた容疑者の遺体を調べる警察官ら(2017年6月19日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】フランスの首都パリ(Paris)のシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りで銃器やガスボンベを積んだ乗用車が警察車両に突っ込み、乗用車側の運転手が死亡した事件で、イスラム過激思想を持つ運転手が治安当局の監視対象になっていたにもかかわらず銃所持の免許を取得していたことが分かり、批判が上がっている。

 アダム・ジャジリ(Adam Djaziri)容疑者(31)は、イスラム過激思想の影響を受けているとして2015年から当局の監視対象になっていた。容疑者の車からは、拳銃2丁とカラシニコフ(Kalashnikov)銃1丁が見つかり、自宅からは複数の銃器の隠し場所が発見された。

 捜査に詳しい関係筋によると、ジャジリ容疑者がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」最高指導者のアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者に忠誠を誓う手紙1通も見つかったという。

 既に身柄を拘束されているジャジリ容疑者の父親はAFPに対し、息子は競技として射撃の練習をしていたと語っていた。捜査に詳しい関係筋によると、容疑者は複数の拳銃とアサルトライフル1丁を含む、登録済みの9個の武器を所有していたという。

 フランス射撃連盟(French Shooting Federation)会長によると、警察当局がジャジリ容疑者の所属する射撃クラブを訪れ、同容疑者について尋ねたことがあるといい、容疑者が銃に強い関心を持っていたことについて、疑いの目が向けられていたことを示唆している。

 今回の事件を受けて、ジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相は20日、銃所持の免許保持者のうち過激思想の影響を受けているとして当局の監視対象になっている人物に対して調査を行うよう命じた。

 1か月前に発足したばかりのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権は、厳格化した新たなテロ対策法を発表する構えだ。またエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、ジャジリ容疑者が銃所持の免許を保持していたことについて遺憾の意を表した。

 フィリップ首相は仏テレビ局BFMと仏ラジオ・モンテカルロ(RMC)に対し「現段階で私が把握しているのは、この人物が当局の監視対象になる前に最初の銃所持の免許が発行されたことだ」と説明しながらも、容疑者が監視対象となってからも危険な武器を所持できていたことに「納得している人などいない。もちろん私もだ」と述べた。

 フランス射撃連盟のフィリップ・クロシャード(Philippe Crochard)会長によると、ジャジリ容疑者は6年前に銃所持の免許を取得したという。また捜査に詳しい関係筋は、容疑者が2月に免許の更新を申請していたと明らかにした。
【翻訳編集】AFPBB News