「ひよっこ」68話「ラーメン日本」のモデルは「サッポロ一番しょうゆ味」「明星チャルメラ」か

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連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第12週「内緒話と、春の風」第68回 6月20日(火)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:渡辺哲也


68話はこんな話


お休みの日、みね子(有村架純)は、アパートの住人たちと、それぞれの食べ物(ラーメン、ご飯、珈琲、つまり、ラーメンライス)を分け合って、ちょっと豪華な食卓を囲む。

袋入りラーメン


みね子がみなと分け合ったのは、すずふり亭のお客さんにもらった新製品のインスタントラーメン(ラーメン日本)。4つもらったのを、独り占めしないで分け合うとは、優しい。38話のレビューでラーメンについて参考にさせてもらった「ラーメンと愛国」(速水健朗著)を再び見ると、66年は、サッポロ一番しょうゆ味、明星チャルメラが発売されている。

漫画家(?)新田の相棒登場


新田(岡野天音)は、食料をもってはいないが、島谷(竹内涼真)が、食事する場を提供して、と言って、
彼のプライドを損ねないようにする。これは、かつて、自分の給料の範囲でメニューをみね子に選ばせた、
鈴子(宮本信子)と同じ精神性だ。

そんな新田の、漫画家人生が前途多難であることを、早苗(シシド・カフカ)が淡々と語っていたところへ、逃げられたと思った相棒・坪内祐二(浅香航大)が戻ってきた。彼は、みね子を、新田の彼女と勘違いする。
浅香航大は、朝ドラファンには、『マッサン』(14年)の鴨居欣次郎(堤真一)の息子・英一郎役としてお馴染み。岡田惠和ファンには、プレミアムドラマ『奇跡の人』(16年)の、アパートの住人・福祉くんこと福地正役として印象に残っているだろう。このとき、アパートの大家さんが宮本信子だったわけで。峯田和伸、白石加代子、光石研と、キャスティングがだいぶ『奇跡の人』化してきた。『ちゅらさん』といい、「めぞん一刻」のドラマ(07年)の脚本を手掛けたこともある岡田惠和のアパートコミュニティものにはずれなし。

恋の勘違い


新田の漫画への夢の話を聞いて、「なんだかうらやましい」と感動を覚えたみね子は、同じ「うらやましい」という感情を頂いていた島谷に対して、奇妙な感情を抱く。でも、それが彼女の頭のなかでもう少し整理される前に、坪内が邪魔してしまうのだが。
このまま、みね子は島谷に、気持ちを寄せていくのだろうか。
これを、その日の「あさイチ」で有働由美子は「恋の勘違い」と断じていた。

正義(竜星涼)、島谷、ヒデ(磯村勇斗)、新田、坪内、ついでに省吾(佐々木蔵之介)・・・とみね子がモテモテという話も観てみたかったが、少なくとも、この坪内、増田明美のナレーションによると「みね子の人生にさほどの影響はないと思われます」とのことだ。ちょっと残念。

ちなみに、坪内祐二は、実在する評論家の坪内祐三と一字違い。祐三氏は「あまちゃんファンブック2『おらやっぱり「あまちゃん」が大好きだ!』(扶桑社)で「あまちゃん」について語っている。58年生まれなので、「ひよっこ」の現時点(66年)ではまだ8歳だから、坪内祐二とは関係なさそう。59年(早生まれ)の岡田惠和と世代は同じだけれど、何か関わりがあるのだろうか。祐三氏には「一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」という著書があって、もうすぐ「ひよっこ」の舞台も70年代を迎えようとしているけれど、などとひとしきり妄想を楽しませてもらった。
(木俣冬/「みんなの朝ドラ」発売中)