男子テニス、エイゴン選手権、シングルス1回戦。勝利を喜ぶタナシ・コキナキス(2017年6月20日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】男子テニス、長らく苦しめられた故障から復活し、エイゴン選手権(AEGON Championships 2017)でミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)からキャリア最高の勝利を手にしたタナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis、オーストラリア)が試合後、自身が引退危機に直面していたことを明かした。

 度重なるけがで長期にわたり戦列を離脱したことで、世界ランキングも698位まで低下し、今大会にはワイルドカード(主催者推薦)で出場しているコキナキスは「一から説明することもできるが、とにかくばかげているよ」と切り出すと、一連の故障を挙げたうえで「本当に多くのけがをしてきた。30歳を超えたときにどうなるかは想像つかない」と語った。最大の問題となった肩のけがとは今も付き合っているという。

 フィジカル面の問題にいら立ち、先日の全仏オープンテニス(French Open 2017)前には引退の瀬戸際に立たされていたという21歳のコキナキスは、「(引退を)真剣に考えていた。いつもは短気ではないけど、大会前の数週間の練習では、毎日のようにラケットを壊していた。それは本来の私ではないのだけどね」、「とにかく嫌になってしまったんだ。練習で勝ったり、いいプレーをしたりするのは良いことだが、そこから先がなかった」と苦難の時期を振り返る。

「そこまでの自信が感じられなかった。ずっと苦しんできた問題がまだ残っているのもわかっていたし、とにかくテニスの調子も良くなかったんだ」

 最終的には家族やコーチに説得され、もう一度挑戦する道を選択したコキナキスは、まだ100パーセントの状態とは言えないものの、試合に臨めるまで体調が回復。前週のリコー・オープン(RICOH Open 2017)では21か月ぶりの白星を挙げた。

 続く2回戦で敗退したコキナキスだったが、今大会では前回大会と去年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で準優勝に輝いたラオニッチとの対戦が決定。試合前は期待していなかったというが、現在世界6位のラオニッチから7-6(7-5)、7-6(10-8)で金星を奪った。

 その忍耐力にふさわしい白星をつかんだコキナキスは「くじけても、よく立ち上がってきた。コーチと家族のおかげだ」と周囲の人間に感謝の意を示したうえで、「本当に大きい。テニス人生最高の勝利だ。それに長期離脱から復帰してここまで早い段階で勝てたというのは、自分にとっても大きな自信になる」と喜びを口にした。
【翻訳編集】AFPBB News