12年間の活動に幕を閉じた℃-ute

 アイドルグループの℃-uteが6月12日に、埼玉・さいたまスーパーアリーナでラストコンサート『℃-uteラストコンサート in さいたまスーパーアリーナ 〜Thank you team ℃-ute〜』を開催した。さいたまスーパーアリーナは、℃-uteがファンに初お披露目された思い入れのある会場であり、同会場で単独コンサートをおこなうことを目標としていた。この日は2万人の観客を動員した他、BSスカパーでの生中継と、国内外36カ所でライブビューイングを実施。12年間の集大成となるステージを披露して有終の美を飾った。

℃-uteの歴史はこの曲から始まりました

℃-ute

 「この日が来て欲しくない」「でも、さいたまスーパーアリーナでの雄姿も見たい」といった、複雑な想いが充満した会場にオープニングムービーが流れる。ラストシングル収録曲「The Curtain Rises」のイントロが響き、ステージの扉が開いた瞬間みんなの想いが爆発した。5人の爽快な歌声とラップが会場に響くと、観客の<ヘイヘイヘイ!>というかけ声が、まるで波のように地響きと共に返る。5人の表情は精悍(せいかん)で、ラストという寂しさはみじんも感じない。もしかしたら、振り切るように心で奥歯を噛みしめていたのかもしれない。

 2万人の観客を前にして、嬉しそうに「すごいね」「熱いね」を連発した5人。「℃-uteのことを知ってくれている人が、こんなにいたんだ!」と、驚きの表情も見せながら、ライブビューイングのカメラに向かって笑顔で手を振るなど、最初で最後のこの日を自ら楽しんでいる様子が印象的だった。

 「℃-uteの歴史はこの曲から始まりました」と、紹介して歌ったのは、インディーズ時代の初のオリジナル曲「わっきゃない(Z)」。メンバーは、「もっとみんなの近くに行きたい」と、フローターに乗り込み会場内を移動しながら、かわいらしい歌声を披露した。会場後方のサブステージでは、「心の叫びを歌にしてみた」などを歌い、岡井千聖の「せーの」というかけ声に合わせて、観客が<愛してる〜!>と叫んで会場が一体となった。

 中盤には、5人それぞれの思い入れのある楽曲を披露した。萩原舞は、1stアルバム収録曲「EVERYDAY YEAH!片想い」を11年前と同じ大きなサングラス姿で歌い、その姿に会場が歓声に沸く。中島早貴は、3rdシングル「都会っ子 純情」のカップリング曲「私立共学」を披露。懐かしい当時の写真や映像が、アルバムをめくるようにビジョンに映し出され、今と当時がシンクロして、12年が走馬燈のように甦った。

 岡井千聖は、2ndアルバム収録曲「僕らの輝き」を披露した。当時は、卒業した梅田えりかと有原栞菜との3人で歌った楽曲で、岡井は噛みしめるように歌い、ファンの声援に思わず涙ぐむシーンもあった。また、鈴木愛理は11thシングル「SHOCK!」を選曲。「5人になって一発目の曲。5回くらいレコーディングした苦労も、今では笑って話せる」と、当時を振り返った。

 最後に矢島舞美は、インディーズデビューシングル「まっさらブルージーンズ」を選曲した。「モーニング娘。さんのオープニングアクトで、初めて歌わせてもらった曲です。今日は、たくさんの後輩が私たちのオープニングアクトに出てくれて、先輩たちの想いを受け継ぐことが出来たのでは」と、バトンを受け渡せたことに、安堵の表情も見せた。

 この後、サプライズゲストで中澤裕子、道重さゆみ、アンジュルムの和田彩香が花束を持って登場すると、5人の目からは堰(せき)を切ったように涙がこぼれた。中澤は「パフォーマンス力の高さは、どのアイドルにも負けない。アイドルを越えた、とてつもないものを持っている。それは努力して来た結果だから」と、℃-uteの功績を讃える。また、同じリーダーとしてグループを引っ張った経験者として「矢島ちゃんの努力、矢島ちゃんの魅力で引っ張っていたからこその今があった。12年間お疲れ様でした」と労をねぎらうと、矢島は中澤にしがみつくようにして泣いた。

おばあちゃんになっても自慢出来る12年間でした

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 後半戦は、圧倒的なダンスパフォーマンスで魅せて、パワフルな歌声で聴かせるという、℃-uteが12年かけて培って来た、真骨頂とも呼べるパフォーマンスの数々でファンを魅了した。

 「涙の色」では、スパニッシュのリズムに乗せて、セクシーさのある華麗なダンスを披露し、大人の魅力を放つ。「悲しきヘブン」では、鈴木&岡井のツインボーカルで、パワフルなロックボーカルを聴かせた。マイナー調のメロディとストレートな日本語詞を力強く聴かせ、2人のロングトーンに会場が大歓声で沸いた。また、メタル調の「情熱エクスタシー」では、「声出していくよ!」の声に、場内には<オイ!オイ!>とかけ声が響く。5人は圧倒的なステージングを見せつけ、気づけば会場はいつものライブと同じ熱狂の渦に飲み込まれていた。

 終盤は、様々な想いがシンクロする選曲で聴かせた。「世界一HAPPYな女の子」は、まさしくこんなに大勢のファンに囲まれた自分たちのこと。「アイアンハート」は、涙を乗り越えてもっと違った景色が見たいと、今の5人の気持ちが表れた。そして本編の最後を締めくくったのは、ラストシングル収録曲「ファイナルスコール」。爽快でキラキラとした光に溢れた曲で、結ばれた絆は決して消えはしないと力強く歌う。<キュートな花散ったとしても〜必ずまた咲き乱れるから>との歌詞が秀逸で、鳴り止まないファンの大歓声が、まさしくファイナルスコールとなって5人の背中を押した。

 アンコールでは、5人がそれぞれの胸の内を語った。この日を最後に芸能界を引退する萩原舞は、海外で英語を勉強したいとのこと。「小1からハロプロに入り、たくさんの夢を叶えることが出来た。私を選んでくれたつんく♂さんに感謝しています。自立して<まいまいカッコ良くなった>と言われるように頑張ります」と、応援してくれたみんなへの感謝の気持ちを表した。

 引き続きバラエティ番組などで活動を続ける岡井千聖は、「辞めたいと思うこともあったけど、応援してくれるみんながいたからここまで続けて来られた。お金持ちだったら、もっと前に辞めてたと思うけど(笑)、まだまだ頑張らないと!」と、ユーモアたっぷりにコメントも岡井流。

 鈴木愛理は、「自分の歌で、みんなを笑顔にすることが夢でした。これからも、みんなの笑顔のために、一人で頑張って行きます」と、今後もソロで歌手活動を続けることを表明。

 「℃-uteとしての人生に悔いはありません」と語った中島早貴は、女優として活動を続けるとのこと。「私たちだけでは、ここに立てなかった」と、応援して来てくれたファンに感謝した。

 そして最後に、今後は演技の仕事に本格的にチャレンジするという矢島舞美は、「どこかできっと見てくれている、(梅田)えりか、めぐ(村上愛)、(有原)栞菜の存在も、私たちを強くしてくれた。おばあちゃんになっても自慢出来る12年間でした」と、卒業メンバーにもメッセージを贈りながら、ファンへ感謝の気持ちを表した。

 全35曲を歌い終えた後、「最後にもう1曲、聴いて欲しい曲があります」と、「たどり着いた女戦士」の1フレーズをサプライズで披露した。2013年のアルバム『8 Queen of J-POP』に収録の曲で、同年9月10日の日本武道館公演でも歌われた曲。<今日以上にかっこよくね生きたいな♪><目をつぶり聞こえてくる心強いエールに包まれて♪>と、今の想いとシンクロした歌詞をアカペラで歌い、5人はステージの奥へと消えて行った。その後ろ姿に、すべてをやり切った5人の清々しく力強い背中を感じた。そしてビジョンにデジタル時計が表示され、ちょうど9時10分を指したその時、℃-uteは12年の活動に幕を下ろした。

℃-ute ℃-ute ℃-ute ℃-ute ℃-ute
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(取材=榑林史章)

セットリスト

01. The Curtain Rises
02. Kiss me 愛してる
03. The Middle Management〜女性中間管理職〜
04. 都会っ子 純情
05. わっきゃない(Z)
06. 桃色スパークリング
07. 大きな愛でもてなして
08. 心の叫びを歌にしてみた
09. 桜チラリ
10. キャンパスライフ〜生まれて来てよかった〜
11. 君は自転車 私は電車で帰宅
12. Summer Wind
13. EVERYDAY YEAH! 片想い
14. 私立共学
15. 僕らの輝き
16. SHOCK!
17. まっさらブルージーンズ
18. 人生はSTEP!
19. 夢幻クライマックス
20. Crazy 完全な大人
21. FOREVER LOVE
22. 涙の色
23. アダムとイブのジレンマ
24. 悲しきヘブン
25. 嵐を起こすんだ Exciting Fight!
26. 情熱エクスタシー
27. 超WONDERFUL!
28. Danceでバコーン!
29. 世界一HAPPYな女の子
30. アイアンハート
31. ファイナルスコール

<アンコール>
32. Singing〜あの頃のように〜
33. SHINES
34. To Tomorrow
<ダブルアンコール>
35. JUMP
  たどり着いた女戦士(アカペラ)