相談者/SAE(21)大学4年生

将来はIT企業で働きたいと思いつつ、現在はエスニシティを研究している大学4年生。ハーフであることや自分のアイデンティティについて、最近悩みが尽きないそう。

SAE:私のママは韓国人で、私は韓国人と日本人のハーフなのですが、見た目的には日本人。いつも人にどういうふうに伝えたらいいかなって悩んでしまうんです。エリアナちゃんはいつもどうやって自分のことを話していますか?

エリアナ:私の場合、ハーフなんだなって、見てすぐわかるでしょ? だからわざわざ伝える必要もないかなって思ってるし、セミナーや講演でお話をするときも「ハーフ」としか言ってないの。私も気にしていないけど、多分周りも気にしていないと思うよ! 逆に私の場合は、「お箸の使い方キレイですね!」とか「日本語お上手〜!」って言われるからね(笑)。

SAE:実は私、小さい頃はあまり自分のことを周りに話しちゃダメって親に言われてきたんです。今は全然大丈夫なのですが、いけないことっていうイメージだったからか、私にとってどうしてもいい印象がなくて。

エリアナ:うちはママが日本人なんだけど、「昔は大変だった」って言ってたよ。SAEちゃんのママもきっと大変なことがいっぱいあって、SAEちゃんを守りたかったんだろうね。でもさ、私はいつも思っていることなんだけど、生まれ育った場所が母国なんだよ。多分SAEちゃんは、ダメって言われていたことが、いつの間にかOKになって、っていう状況にまだ心の整理がついていないのかもしれないね。

SAE:それはありますね。8歳年下の妹は、はじめからオープンに育っているので、余計気になったりもして・・・。親族で集まったときに言葉が通じないとか食文化の違いとか、どうも慣れなくて・・・。エリアナちゃんはアメリカに行ったとき、あっちの文化に対して違和感はありませんでしたか?

エリアナ:確かに文化の違いは感じたよ。例えば、毎週みんなは教会に行くのが当たり前、とか。我が家は本当に自由で「好きなようにしなさい」っていうスタンスなんだけど、私は基本的には郷に入ったら、郷に従えっていうタイプなの。色んな伝統とか文化って、若い世代の子たちはどんどん興味なくなってきているでしょう? でも、そういう文化は、きちんと後世に引き継いでいくべきだとも思うのね。SAEちゃんもせっかくエスニシティの研究をしているなら、韓国についてもっと知ってみることも必要なんじゃない? 例えば、韓国語が話せるようになったら、親族の集まりも楽しくなるかもしれないし、きっとすごく世界も広がると思う。将来、仕事にも絶対に役立つと思うよ。そういう環境をポジティブに転換して、いかすべきだと思う!

SAE:確かに、学ぼうなんて思ったこともありませんでした(笑)。わからないから苦手、というのはよくないですね。韓国に行ったこともないのに(笑)。ちょっと、向き合い方を変えてがんばってみます! あともうひとつ、最近どんどん海外の方が日本に旅行に来ていますよね。迷っていたり、困っている人を見かけたとき、なんて声をかけますか?

エリアナ:最初は日本語で話しかけて、通じない場合は英語で話すかな。海外旅行に行くときって、ある程度行く国のことを調べていくでしょう? 挨拶だけでもって。だから、こっちもおもてなしやwelcome感を表現したいなら、まずは日本語で、って思っちゃう。もし英語ができなくたって、助けたいって気持ちがあるなら、その想いを伝えるためには身振り手振りで会話できると思うしね。グイグイいっちゃえばいいんだよ! もしかしたら、SAEちゃんは頭がよすぎるせいか、考えすぎちゃう性格なのかも。もっと感覚的に気持ちを行動に出せばいいだけな気がするよ。困っている人がいたら助けるって、別に相手がどこの国の人だろうが関係ないしね♡ あと、東京なんていっぱい海外の人がいるし、海外みたいな感覚で目が合った人には挨拶をする、くらいのフレンドリーさも今の私たちには必要なのかもね!

SAE:本当ですね・・・(笑)気持ちを伝える努力、これからはがんばってみます♡ もっといろいろエリアナちゃんみたいに、オープンに接していけるようになりたいです。ありがとうございました!

宮本エリアナ(22)

ミスユニバースジャパン2015。モデル、タレントとしてテレビや雑誌などで幅広く活躍中。昨年夏には、トータルビューティサロンを「4.total_beauty」をオープンし、東京と福岡拠点に、経営者としても奮闘している。