バランスシート縮小の年内スタートは織り込み済みか、6月21日ドル円為替

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 1ドル112円を突破する勢いも感じられたが、長期債券利回りが思っていたほど伸びないことや、朝鮮半島問題、ロシアゲート疑惑などのリスクが重しになってドルの上値は限定的であった。6月20日(すべて日本時間)は、9:00、16:00、そして日付の変わった0:00ごろに1ドル111円70銭台を突破したが、すべて反発を受けている。21日8:30時点では下値の1ドル111円27銭をつけた。

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 注目されているFRB高官のコメントに関しては、6月20日の16:16ごろからフィッシャーFRB副議長が「低金利が高水準かつ上昇中の住宅価格の要因」と発表し、1ドル111円79銭から1ドル58銭までドルが売られた。20:40ごろにはムニューシン財務長官が「ドル高は輸出面で障害」「税収は予想よりも低い」としドルが売られるも、「ドル高はトランプ政権の信任投票」ともコメントしドルは再び戻した。21:15からのローゼングレン・ボストン連銀総裁は「低金利は金融安定に不安をもたらす」としたがこちらは同意薄。

 21:30に1月から3月までの経常収支が発表され、事前予想よりも結果が良く、-1238億ドルが-1168億ドルとなり、ドル買いのトレンドに転換した。日付は変わって6月21日4:00からのカプラン・ダラス連銀総裁は「インフレは活気がない」としながらも「バランスシート縮小は年内」というコメントを発表している。

 ここまでの市場との相関を見てみると、発言力のあるダドリー・ニューヨーク連銀総裁の先日のコメントの影響力が一番大きかったといえる。

 年内の追加利上げに対して慎重論もある中だが、バランスシート縮小の年内スタートと12月の追加利上げは、やや織り込み済みの様相も呈してきた。こうなると下値はかなり限定的になるだろう。

 トランプ政権は政策をなんとか早期に進めていきたい考えだが、税制改革の年内実施は困難であるという見方が強くなってきている。こうなると経済指標から今後の追加金利に期待を寄せる金利相場になっていく可能性も出てきた。