「これからの資産形成は、ETF(上場投資信託)が重要なツールになる」――かねてからETFを活用した資産運用の有用性を提唱してきたモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏が、『ETFはこの7本を買いなさい』という新著を上梓した。ETF入門の決定版になっている。

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 「これからの資産形成は、ETF(上場投資信託)が重要なツールになる」――かねてからETFを活用した資産運用の有用性を提唱してきたモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏が、『ETFはこの7本を買いなさい』という新著を上梓した。投信評価会社のトップである朝倉氏の思いは、「ETFは資産形成において『これを利用しない手はない』と言っていい、優れた特徴をたくさん持つ金融商品」という言葉に象徴されている。ETFの魅力を様々な角度から語り、具体的な活用法まで案内したETF入門の決定版になっている。

 2016年12月に金融審議会市場ワーキング・グループが金融庁に提出した報告書で、「ETFは国民の安定的な資産形成に向けて本来有用な投資商品である」と言及されている。「本来有用な」とは、現実的には有効に活用されていないことを示す言葉だ。朝倉氏も本書の中で、「ETFを取り扱う証券会社の多くはETFの販売にまったく力を入れておらず、なかなか普及する様子はありません」と嘆く。

 証券会社が力を入れないのは、売り手である証券会社にとって「売ってもちっとももうからない商品」であるからだ。裏返せば、利用者である個人投資家にとっては、低コストで世界に分散投資ができる有効なツールであるといえる。徹底して個人投資家目線で考える朝倉氏は、アメリカで年率2ケタ以上の市場成長を見せているETFの買い手のほとんどが個人投資家であることを引き合いに、「日本の個人投資家の皆さんにもETFの魅力をさらに知っていただき、資産形成に役立てていただきたい」と、本書を執筆するに至った経緯を語っている。

 「この7本を買いなさい」と、いささか刺激的なタイトルだが、そこには、これから資産形成を始める方にもわかりやすい内容にしようという考えがうかがえる。ただ、「この7本」というのが、ほとんどNY上場のETFだ。あくまで投資家目線にたって、「買ってはいけないETF」の基準も明示。コストや流動性、そして、商品の品質を吟味した上で、資産運用のツールとして活用できるETFを厳選している。

 もちろん、ETFの内容の調べ方、買い方の注意点など、具体的な事例を紹介しながらていねいに説明してある。

 さらに、この7本のETFを使った具体的な組み合わせ投資の仕方。また、応用編として、さらに13本のETFを利用した一歩進んだETF活用法にまで解説するなど、投資が初めての人から、すでに投資経験のある人までを対象にした実践的なETF案内書になっている。(ダイヤモンド社・1500円+税)