結婚式でおっさん達が「ズンドコ節」を熱唱…“夫の実家まかせ”はヤバい

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 結婚式は新郎新婦のためにあるものではない――。創業100年近くになる会社の跡取りと結婚した結子さん(仮名・26歳)は、自分たちの結婚式でつくづくそれを実感したといいます。

◆完全に彼の実家がしきる結婚式

「もともと私は結婚式や披露宴をあまりしたくはない方で、彼にも、そう伝えていたのですが『うちみたいな家業がある家は、披露宴しないとその分だけ挨拶回りが大変になる』と聞いたので、しぶしぶ行う方向になりました」

 とはいえ、あまり乗り気でない結婚式。結子さんは自分で決めることが面倒臭かったため、彼の義両親の要望をそのまま受け入れて準備を進めていたそうです。

「もう本当に何もしなかったんですよ。ドレスや着物も義母の言うがまま。引き出物も義父のチョイスをそのまま式場に伝える感じで。なんなら親孝行になるからいいんじゃない? くらいの軽い気持ちでしたね」

 招待客の選定も、ほぼ義父母に任せており、結子さんがしたことといえば招待状の発注くらいだったとか。

◆義父母が招待した客300人以上。知らない人だらけの結婚式

「彼の実家の会社は地元密着型で、地域の人たちとの繋がりがとても強いと前々から聞いていました。なので、●●を呼ぶのに××を呼ばないわけには……という流れで招待客は300人以上! 私の親戚と友人たちは、合わせても30人に満たないほどでした」

 しかも、まだ会社自体は彼の父親が現役のため、彼自身は顔すら見たことがないという間柄の招待客が大多数。乾杯の音頭からスピーチまで全て、彼も結子さんも知らない人たちで固められていました。

 全員が「お2人を拝見するのは今日が初めてになりますが」と前口上するほどに……。

「途中から、『何のためにこんなことしてんのかな〜』とボーっとしながら見てましたね。招待客の割合の関係で、私の友人からのスピーチは1人だけと決められたのですが、それだけが唯一の楽しみでした」

 結子さんはスピーチは大学の同級生に頼んだそうです。そして短いスピーチの後に、その子が趣味で声楽をしているということだったので、当時流行っていた「愛をこめて花束を」を歌ってもらうようお願いをしていました。

 しかし、これが思いもよらぬ大トラブルを起こすきっかけになってしまったのです。

◆知らないおっさんたちの演歌ばかりのカラオケ合戦に…

「心を込めた熱唱にちょっと涙ぐんでいると、彼の取引先のテーブルから怒鳴り声が飛んできたんです。『そんな小娘に歌わせるなら、俺らにも歌わせろ!』みたいな……。そういえば彼の方では歌ってる人はいなかったなぁと思ったのですが、それは、あえて義父母がストップかけてたらしいんですよ」

 それこそ「●●が歌うなら××を歌わせないわけには」となることを恐れ、彼の方では、あえて「うちの披露宴ではカラオケなしなんですよ〜」と事前に吹聴し、スピーチのみということで収めたのだとか。

 それなのに嫁側が歌を披露するなんて……と、新郎側からの不満が爆発! 新郎側の招待客たちによるカラオケ合戦が始まってしまったそうです。

「しかも演歌ばっかり。いや、結婚にまつわるものならまだいいですけど、『きよしのズンドコ節』とか結婚式で歌うものじゃないだろうと。

 もうずーっと張り付いた笑顔で手拍子してましたよ。横を見たら彼も目が死んでしましたね。知らないおっさんたちの歌声を聞きながら、早く時間よ過ぎろとばかり考えていました」

 結局、披露宴は3時間の予定が1時間以上もオーバー。両親への花束贈呈や、その後に控えていた友達だけで行うはずだった二次会もキャンセルに。

 義父母からは「空気が読めない嫁だ」となじられ、責任を感じた結子さんの友達とは疎遠に……さんざんな結婚式となってしまいました。

「『結婚式は新郎新婦のためにあるものではない』まさに私たちの結婚式は、知らないおっさんたちの宴会のためにあったようなものだと思ってます。

 後悔するとしたら、挨拶回りが大変になろうとも結婚式を阻止しなかった自分の弱さに対してですね。こうなると判ってたら、全身全霊で拒否したのに!」

―闇系結婚式エピソード【1】―

<TEXT/もちづき千代子 イラスト/鈴木詩子>