ブレストは「やった感」以外に意味がない理由

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世界23ヵ国で刊行され、瞬く間に世界的ベストセラーとなった『SPRINT 最速仕事術』の著者であり、グーグルで合理性を極めた仕事術「スプリント」を開発し、現在は世界最高のデザインコンサルティングファームと言われるIDEOで活躍するジェイク・ナップ氏が日本版の刊行にあわせて緊急来日した。
スプリントはグーグル内で使われているほか、フェイスブック、マッキンゼー、Airbnbなど世界の最も先端的な企業で採用され、高い費用対効果をあげている。
仕事からブレストなどの非効率で非生産的な仕組みを完全に排除したその方法について、「なぜ、こうすべきなのか?」「具体的にどう進めればいいのか?」など、ジェイク・ナップ氏が日本の聴衆に存分に語った。(記事:加藤紀子 主催:株式会社grooves)

時間を最大限に効率的に使う

 仕事から不合理なやり方を完全に排し、なぜ「スプリント」をすべきなのか? ジェイクはこう切り出した。

「ビジネスが成功するか否かは本当にちょっとした差だ。何か新しいことを始める時、最初にいろんな筋書きを検討する。でもどれが正しいか、誰にもわからない。アイデアによってはビッグビジネスになり得るものもあれば、選択を誤ってしまったために破綻してしまうこともある。どういうもので勝てるか、どういうものだと失敗してしまうのか。考えようとしてもそれはわからない。

 僕はマイクロソフトにいた頃、何年もかけてデザインしたものをようやくローンチ(公開)したのに、想定外な反響の悪さで失敗に終わる痛い経験をした。結局それまで費やした数年間、僕は他に何かを学ぶ機会を失ってしまった。

 そこで素早く動いて教訓を得たいと思い、サイクルを短縮化する方法を考案した。それがスプリントだ。

 この手法であれば、たった1週間という短期間で、はたしてそのアイデアがうまくいくのかを見極めることができる。これなら1つのアイデアにコミットする『前』にアイデアの模索ができる。今日は具体的にどうやったら短縮化したサイクルを実行できるのか、話そうと思う」

 グーグルに在籍し、「スプリント」を生みだした今から13年前……ジェイクは父親になった。

「子供が生まれて、毎日もっと時間を有意義に使いたいと思ったんだ」と彼はその原点を振り返る。

 生産性を上げる本を読み漁り、自分自身のタイムマネジメントはかなり向上していたが、「チーム」の仕事となるとそううまくはいかず、ストレスを抱えていた。

 そんな彼の転機は、IDEOのデザイナーのワークショップに参加したときだという。ジェイクはIDEOのメソッドやデザイン思考に潜在力を感じると共に、「自分がベストの仕事ができるのは、大きな課題に厳しい締め切りを課され、十分とはいえない時間で取り組んだときだ」と悟る。

 スプリントを一言で言うと「1週間で試作品を作り上げてテストすることだ」とジェイク。 

「繰り返すが、スプリントは、本格的にビジネスにコミットする『前』に多くを学習できる機会を得られるんだ」

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