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AMDは米国時間の6月20日、COMPUTEXの際に予告した通り、ZENアーキテクチャを採用したサーバー向けプロセッサ「EPYC」を正式に発表した。製品発表会の様子を含めた詳細については改めてレポートするが、まずはラインナップや、エコシステムを構築するパートナー企業など速報ベースでお伝えしたい。

ラインナップとしては2 Socket向けが9製品(Photo01)、1 Socket向けが3製品(Photo02)の合計12製品となる。いずれの製品も4ダイ構成となっており、8chのDDR4 Memoryと128レーンのPCI Expressを利用することが可能となっている。TDPは120W〜180Wの範囲だ。

具体的な価格は、現時点では明示されていないが、競合製品との比較(Photo03,04)という形で価格帯と性能差を示している。これによると、2 Socket向けが400ドル以上〜ハイエンドで4,000ドル以上、1 Socket向けは最大で2,000ドル以上となっている(Photo03,04)。

面白いのは、1 Socket製品と2 Socket製品を比べてみると、例えばEPYC 7401は1,700ドル〜2,400ドルのレンジに位置しているのに対し、EPYC 7401Pは1,000ドル〜2,000ドルの範囲になっていることだ。ここから考えると、1 Socket用の製品は、2 Socket構成に必要となるInfinity Fabricの信号線が出ていないといった差別化が行われている可能性がある。

Photo03/04で示された性能差は、いずれもSPECintratebase2006の数字を基にしたものなので、実際のアプリケーション性能は必ずしも反映していない。これに関しては別途レポートをお届けする予定だ。

○エコシステムのパートナーとしてMSやVMware、Red Hatらが名を連ねる

ところで、サーバー製品となると、当然エコシステムが重要になるわけだが、今回キーパートナーとしてMicrosoft/VMware/Xilinx/Mellanox/Samsung/Red Hatといった名前が明らかとなった(Photo05)。このほかにも、OS/Hypervisor/開発ツール分野(Photo06)、ハードウェア/OEMメーカー分野(Photo07)でさまざまな企業が名を連ねた。このあたりも後日詳しくレポートしたい。

○内部構成(Internal)で新たに分かったこと

ところで少しInternalの話を紹介したい。まずはダイ間、およびSocket間のインターコネクトであるInfinity Fabricについて。

1つのEPYCチップの中にある4つのダイは、それぞれ4Byte(32bit幅)の双方向Single Ended Signalで接続され、帯域は片方向あたり42.6GB/sec(Photo08)となっている。転送に必要なエネルギーは2pJ/bitときわめて小さいが、これはMCM上のダイ間接続に最適化したPHYを搭載したとのこと。

一方Socket間は、それぞれのダイ同士が37.9GB/secでの相互接続を行う(Photo09)。この結果、2 Socketで8つのダイが、最大でも2 Hopで接続されることになる。このあたりは何か、かつてOpteronで採用したHyperTransport Linkの構造を彷彿させる。

メモリにDDR4-2667を搭載した場合、メモリ1chあたりの帯域は21.3GB/secほどになるが、Infinity Fabricはこれを上回る帯域を確保しており、スケーラブルに性能を上げられるという説明があった。実際2 Socketの場合の実効帯域は1 Socketの98%増しと同社は説明している(Photo10,11)。

続いてチップセットの話を。EPYCというかZENコアには、内部にSCHを搭載していることが改めて明らかになった(Photo11)。EPYCについてはこの内臓SCHを利用することで外部のチップセット無しで利用可能である。

そこで確認したのだが、これはEPYC用のダイのみというわけではないという。RyzenとEPYCのダイはまったく同じものであり、RyzenやRyzen ThreadRipperは、この内部のSCHを無効にして、外部のチップセットを使うことになる。これに関しては、ZEN内蔵のSCHはあくまでもサーバー向けで、デスクトップなどには適さない(機能的に不足がある)から、という話であった。