USJのシンボルとなっている地球儀のオブジェ

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大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)が、園内での過度なコスプレを制限するルールを2017年8月から新たに導入する。

USJ公式サイトで6月19日に発表された新ルールとは、(1)武器状の製作物の持ち歩き禁止(2)顔が隠れるマスクや被り物の着用禁止――の2点。インターネット上では、園内でのコスプレ行為に否定的な見方が強く、今回のルール導入には「これでUSJコスプレ会場にならずにすむ」などと好意的な反応が目立つ。

ディズニーは原則「仮装禁止」

USJは「仮装など、さまざまな服装でパークを楽しむゲストを歓迎しています」と公式サイト上で明言している。実際、園の広報担当者も6月20日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「これまでのUSJは、ほぼ服装の制約なく自由に仮装を楽しめる環境でした」

と話す。

確かに現状のUSJでのコスプレに関するルールは、公序良俗に反する服装の禁止など、常識的な「マナー」の範疇に留まるものがほとんど。一部、子供向けのアトラクションが多いファミリー向けのエリアでは、ゾンビや幽霊などホラー系の仮装をNGとしていたが、他のエリアでは特定の服装を禁止するルールはなかった。

一方、同じテーマパークでも「東京ディズニーリゾート」(TDR)では、ハロウィーンなど一部の期間を除き原則としてコスプレを禁止している。しかも、ハロウィーン期間中であってもディズニー作品に登場するキャラクター以外の仮装はNGとされている。

こうして比べてみると、USJコスプレに関する「自由度」の高さが改めて分かる。だが、そんなUSJの園内では、一部のコスプレファンが他の来園者に「迷惑」をかけるトラブルも度々起きていたようだ。ツイッター上には、

「プレショ(編注:プレミアショーの略)の時とかに邪魔になるようなコスはマジでやめてほしい。トサカとか帽子とかさ」
 「USJコスプレしてる団体が道のど真ん中で撮影するのは邪魔なんでなんとかしてほしい」
 「何よりキャストと一般のコスプレしてる人と見分けつかないのが一番面倒」

などコスプレ客に苦言を呈す投稿が数多く見つかる。

「もう行く意味が見つからない」との声も

USJが8月から新たに導入するUSJでのコスプレ制限ルールの詳細は、

・おもちゃ、手作りを含めた武器状の製作物(銃、刀、ライフルなど)の携行
・顔が確認できないフルフェイスマスクやヘルメット、被り物などでのパーク入場ならびにパーク体験

の2点を禁止するというもの。同時に、「物品を運ぶようなカート、キャリーバッグ、スケートボードなどのパークへの持込み」もあわせて禁止する。

こうした新ルールの導入が発表されると、USJでのコスプレ行為に反感を抱いていた人の間ではツイッターに、

USJの仮装・コスプレは最初は見てて楽しめたけども、最近本気で酷かったからありがたい処置だとしか思えない」
 「とりあえずこれでUSJコスプレ会場にならずにすむ......」
 「無法地帯が少し解消されるんなら、また年パス更新しようかな」

といった歓迎の声が広がることになった。そのほか、「特定の期間以外はコスプレ一切禁止でいいと思う」などより強い規制を求めるコメントも目立った。

ただ一方で、コスプレファンとみられる一部のユーザーからは、

「そっかー...スパイダーマンとかベイダー卿とかもう現れないんだなー...」
 「もう行く意味が見つからない」

などとルール導入を残念がる意見も出ている。

USJ広報「皆さんに安心してパークを楽しんで頂くため」

なぜ、これまでほぼ制限していなかった仮装のルールを新たに設けるのか。この点について、上述したUSJ広報担当者は取材に、

「皆さんに安心してパークを楽しんで頂くためのルールです。お客様の中には、顔がすべて隠れるマスクやヘルメットを被った仮装を見て不安に感じる人もいらっしゃいます。そうした人に配慮するため、仮装に一定のルールを設けました」

と説明する。続けて、仮装の中には非常に作り込まれた物もあったとした上で、

「全てのお客様がオリジナルのコンテンツを知っているわけではありません。仮にオリジナルを知らない人が武器などの制作物を見かけた場合、不安に思ってしまうのは当然です」

とも話していた。なお、園のルールに反した仮装を見つけた際はスタッフが注意するほか、悪質なケースでは退場や入場禁止措置をとる場合もあるという。