画像提供:マイナビニュース

写真拡大

モトローラの「Moto Z」のように、本体にモジュールを接続して機能拡張できるスマートフォンがこれから増えていくかもしれない。Androidスマートフォンの生みの親でもあるアンディ・ルービン氏が立ち上げた新会社Essentialが5月31日に発表した「Essential Phone」は、本体の上部に360度カメラや充電ドックをマグネットで取り付けることが出来るスマートフォンだ。

スマートフォン本体に初めからあらゆる機能を搭載してしまうと、サイズが大きくなったり価格も高くなってしまう。数年前にサムスンはプロジェクターを内蔵した「Galaxy Beam」や光学ズームレンズを内蔵した「Galaxy Zoom K」などを発売したことがある。それぞれの機能は便利なものの、本体の大きさはやや厚くなってしまった。

やはりあとから必要なモジュールを追加して機能を拡張できるほうが、スマートフォン単体として利用する際も使いやすい。またモジュールも1機種だけの専用品では無駄になってしまうが、モトローラはMoto Z / Moto Z Play用に発売した拡張モジュール「Moto Mods」を今後最低2年間は新しいスマートフォンにも対応させると話している。そのモトローラは合体スマートフォンの新製品「Moto Z Play」や、新型モジュールを発表したばかりだ。

とはいえ後からモジュールを貼り合わせるだけでは、いくら拡張性があるといっても限界がある。そこでスマートフォンそのものを拡張できるモジュール化し、製品にする際に様々なモジュールを組み込んで出荷するという、「サンドイッチ構造」と呼ばれる製品を香港のスタートアップ企業が開発した。

Nexstgoが開発した「Nex A.I. Project」と名付けられたスマートフォンは、一見するとスリムな普通のスマートフォンに見える。スペックはCPUがSnapdargon820、メモリ4GB、5.5インチフルHDディスプレイ、1600万画素カメラ、3100mAhバッテリー、USB Type-C端子、デュアルSIM搭載など。最新CPUは搭載していないものの、十分高性能なスマートフォンだ。だが本体内部の基盤は拡張性を持った構造になっており、背面カバーを外し、内部に追加モジュールを組み入れることで機能を拡張することができるのだ。

用意されているモジュールは3Dカメラ、スピーカー、プロジェクター、ハンディーPOS、超音波機、空気汚染測定器など。一般ユーザー向けだけではなく業務用向けのモジュールもあるが、このNex A.I. Projectの当初のターゲットはビジネスユース、B2B市場を狙っているのだという。

例えば現在もハンディスキャナーを内蔵した業務用スマートフォンがあるが、専用機のため価格は高い。しかしNex A.I. Projectであれば、コンシューマー向けレベルのスマートフォンにスキャナモジュールを挟むだけで専用機に変身させることができるのだ。この方法なら、モジュール部分だけを開発することで、様々な用途に向けた専用スマートフォンをより短い開発期間で市場に送り出すことができる。

サンドイッチ構造のメリットはそれだけではない。端末が故障してもモジュール部分の不具合なのか、スマートフォン側なのかを切り分けることができる。修理時もモジュールだけを交換すればよいので迅速な対応が可能だろう。そしてスマートフォン側、モジュール側、それぞれの機能が上がった時も、それぞれの組み合わせを変えればよいわけだ。

なおモジュールはユーザーが交換するのではなく、メーカー側で取り付けた状態で出荷されるという。手持ちにいくつかのモジュールを用意して自由に交換する、という具合にはいかないようだ。これは業務用モジュールのため取り外した際に故障などを防ぐためなのだろう。

とはいえ3Dカメラやスピーカーなどのモジュールならば、ユーザーが取り外して交換しても問題はないだろう。現状ではモジュールは簡単にスライドして取り外せるのではなく、ねじ止めなどされて固定されているようにも見える。Nex A.I. Projectはまだ試作段階のため全ての仕様が確定しているわけではなく、もしかすると一般消費者向けのバリエーションモデルが登場し、背面パネルをスライドさせるだけでモジュールが交換できる、といった構造になるかもしれない。

スマートフォンの基本性能はもはや必要以上に進化しており、最高スペックの製品を買わなくとも日常的に利用するには十分な性能の製品が増えている。スマートフォン各メーカーも製品の差別化に悩んでいるところだ。Nexstgoのサンドイッチ構造スマートフォンは、コンシューマー向け製品を作っている大手メーカーにとっても大いに参考になるものかもしれない。「スマートフォンはこれを選んで、モジュールはどれにしよう?」。数年後にはスマートフォン本体とモジュールを組み合わせて買う時代がやってくるかもしれない。