記者会見する下村博文・自民党東京都連会長

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下村博文・自民党東京都連会長が2017年6月20日、告示を23日に控えた都議会議員選挙に向けて記者会見を開き、「自民党にとって今回の都議選は『脱・小池劇場』」として小池百合子・都知事と地域政党「都民ファーストの会」(都民ファ)との対決姿勢を打ち出した。

下村氏は、小池氏が代表を務める都民ファを「知事のイエスマン」と表現するなど批判。都議会自民党が知事へのチェック機能を果たす必要性を強調した。

「自民党が発信しないと、(知事への)白紙委任状になりかねない」

下村氏は、地方自治体が首長と議会議員を別々に選挙する二元代表制であるのを念頭に「都議会は小池都知事に無条件で白紙委任状を出すイエスマンであってはならない。都議会は知事へのチェック機能をもちながら、都政を前に進める提案を、都政にとって重要な視点から自民党が発信しないと、白紙委任状になりかねない」と述べた。

背景には都民ファの存在がある。下村氏は「都民ファーストの会というのは、自分が選挙に当選したいがために移ってきた人が多く、半分以上が『政治素人』、そういう政党だと思う。そして小池知事が自ら党首を務める。新しく都議選に出る人々は完全な(小池知事の)イエスマンだろう」と、都民ファ公認候補者の政治家としての能力を疑問視した。

また、小池氏は自民党へ離党届を提出し受理されたが、将来的な復党の可能性について下村氏は「都民ファーストの会の代表になった時点で認めない。小池氏自ら(縁を)切った。われわれも受け入れるつもりはない」と絶縁宣言。対決姿勢を浮き彫りにしている。

「過去の都議選は、その後の国政選挙にも必ず影響」

小池知事就任後は「東京都の予算に関して都議会自民党はすべて賛成してきた。つまり、小池都知事がやろうとしていることが都議会に否決されてできないという構図ではないということだ。にもかかわらず、小池知事は都民ファーストの会を作った。どんな意味があるのかと問いたい」と小池知事の新党立ち上げ自体も否定的な見方を示した。

自民党も安倍晋三首相のイエスマンではないのか、との報道陣の問いかけに、下村氏は「われわれはイエスマンではないと思っている。安倍政権では政策が国民の支持を得てこれまでやってきた。政策において自民党内で納得しているから、それをさらに進めていこうとしている」と違いを述べている。

一方、国政では安倍晋三内閣の支持率が直近の各社世論調査で下がった点が都議選に影響するかと報道陣から問われると、「テロ等準備罪法案や、加計学園問題が大きく影響した。都議選にマイナス影響があるだろう。自民党の国会議員はこれらの問題を丁寧に説明していく必要がある」と認め、「過去の都議選は、その後の国政選挙にも必ず影響してきた。しっかり戦い、国政にプラスとなるような結果を得られるよう戦っていきたい」と決意を述べていた。